日本ハム「待球作戦」もマー君には通じず

[ 2009年10月24日 06:00 ]

<日・楽>4回2死一、三塁、草野の左前の打球をはじく森本

 【日本ハム2―3楽天】今季3敗を喫している楽天・田中の攻略法は「待球作戦」だった。楽天は先発陣は強力だが、救援陣は弱い。いかに早く先発を降ろすかがカギとなる。実際、第1戦の永井にも同様の戦法で臨み、終盤の逆転につなげている。

 だが、この日の田中は予想以上に制球がよかった。初球がボールだったのは打者34人に対し6人だけ。待球が通用しなかった。2安打を放った金子誠は「粘っていっても200球ぐらい投げ抜くぐらいのスタミナがある。申し訳ないが、オレはヤマを張って打っていった」と打ち明ける。
 さらに「ここぞというところでスタミナを温存していた」(梨田監督)という驚異の体力。8回に1点差としたが3番・稲葉、4番・高橋に150キロ超を連発され、最後は力で封じ込められた。
 「(序盤の)早くから打たないと打てない投手だった」と梨田監督。序盤で攻略できるチャンスは1度あった。1点リードの3回1死一、三塁。だが、森本は空振り三振に倒れ「あそこで追加点を奪っていれば、相手にダメージを与えられた。流れを逃したことで後手に回った」と悔やんだ。
 初球の甘いスライダーを見逃し、ファウルで7球粘ったが、カウント2―1から149キロの内角直球に空振り三振。「内角に食い込んでくる球を投げられると打者はどうしても苦しくなる。できれば初球のスライダーを打ってほしかった」と島田スコアラー。待球作戦が裏目に出て、リーグ最高のチーム打率・278を誇る打線は天敵に屈した。

 <第4戦には藤井が先発>第4戦には藤井が先発する。この日最後まで試合を見届けた左腕は「僕が頑張って、役割をしっかり果たす」と気を引き締めた。レギュラーシーズンは7勝5敗。楽天戦は4試合に登板し1勝1敗だが、吉井投手コーチは「信頼度の順番で藤井。思い切り投げてほしい」と期待。日本シリーズ出場が懸かる大一番を前に、藤井は「野手もあれだけいい投手(田中)を苦しめた。あす決めたい」と気合を入れた。

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2009年10月24日のニュース