「文句なくセーフや」ノムさん勝利呼ぶ猛抗議

[ 2009年10月24日 06:00 ]

<日・楽>4回1死一、二塁、リンデンの遊ゴロで一走・中島が封殺され、抗議する野村克也監督

 【楽天3―2日本ハム】歩みは遅い。それでも衰えぬ闘志が顔に出る。ベンチを出た野村監督が二塁ベース付近まで足を運び、猛抗議を行ったのは4回だ。

 「セーフやろ!」。楽天での“ラスト采配”となる可能性もある試合。右翼席の楽天ファンから「野村コール」が巻き起こる中、74歳の指揮官は約3分間、秋村二塁塁審に詰め寄った。
 「あれは文句なくセーフや。秋村にはようやられるんだよ」
 試合前のメンバー交換の際には「お世話になりました。来年は解説で来ますんで」と審判団に気の早いあいさつをした。しかし試合となれば自然と血が騒ぐ。渡辺直の本塁打で同点に追いつき、さらに1死一、三塁から中島の左前打で勝ち越し。ベンチが盛り上がる中での微妙な判定だった。
 リンデンの三遊間への打球を、遊撃の金子誠が二塁へ送球。中島の右足が先にベースに触れたようにも見えたが、秋村塁審は右手を上げた。判定は覆らなかったものの、走者の中島は「あそこであっさり引かれたら…と思っていたのでうれしかった」と指揮官の闘志に感謝感激。続く草野にも適時打が飛び出し、リードを2点に広げた。
 「負けたらきょうで終わりだからな。(勝ったことが)大きいか小さいか知らないけど、何とか土俵際で踏みとどまった」。よもやのサヨナラ負けに、エース・岩隈で黒星。王手をかけられた前夜は「もう終わってる」と話したが、待望の1勝を手にしても「まだ無理だよ。光は見えない。暗闇の真っただ中にいる」。そう嘆く理由は攻撃陣。5回以降はわずか1安打に終わり「まあ、なんせ打てんわい。4番は誰や?いるのか?(山崎)武も内容がひどい。まじめなんだ。オレは現役の時によく鼻歌を歌ったよ。もっとリラックスできんかな…」とぼやいた。
 ようやくの白星も、崖っ縁にいる状況は変わらない。「問題はあした。打線が援護しないと。投手だけで乗り切るのは無理や」。ラストゲームを先延ばしにするには、勝つしかない。野村監督が見せた闘志が、打線をよみがえらせることができるか。

 <新人藤原任せた>ルーキー左腕の藤原が24日の第4戦に先発する。登板に備えて試合途中に引き揚げたが、試合前は「きょう勝ったらあしたも勝つんじゃないですか」と自信を見せていた。5点差を逆転負けした初戦に中継ぎで登板。スレッジへのワンポイントで右前打を許したが、杉山投手コーチは「先発では自分のペースで投げてほしい」と期待した。また前日の第2戦に先発したエース岩隈はベンチ入りを続けており、第4戦も中継ぎ待機する。

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2009年10月24日のニュース