最後まで泥くさく!緒方惜別三塁打!ヘッド!

[ 2009年10月11日 06:00 ]

引退セレモニーでナインに胴上げされる広島・緒方

 【広島1-0巨人】広島の緒方が2度のヘッドスライディングで23年間の現役生活に終止符を打った。先発起用の打診を断り、8回に守備から出場。マツダスタジアムが大歓声に包まれたのは、その裏の打席だ。

 ゴンザレスの初球をとらえた打球は右中間を破った。勢いよく二塁ベースを蹴ったが、40歳の体は言うことをきいてくれない。「二塁で足が動かなくなった」。倒れ込むように頭から滑り込む三塁打。続く大竹の打席では捕手が球をそらす間に本塁を狙い、またもヘッドスライディングを試みた。しかし、精いっぱいに伸ばした腕は本塁に届かなかった。試合前に「力の落ちた自分を見せるのは恥ずかしい気持ちもある」と漏らしていたが、無意識に体が動いた。

 95年から3年連続で盗塁王を獲得するなど走攻守3拍子そろった選手として活躍したが、プレーに一切の妥協を許さず、その代償が度重なる故障だった。「常に全力で、試合が終わったらユニホームが真っ黒で、そんな選手でありたいと思った。気が付けばユニホームが汚れなくなり、守ることも走ることもなくなって、引退を決意した」。緒方はプロ生活の引き際まで、自身のスタイルを貫き通した。

 ≪かな子夫人らが花束≫試合後の引退セレモニーでは、現在も広島でタレントとして活躍中のかな子夫人(36)が3人の子供たちと一緒に花束を贈呈した。最後の打席で三塁打を放った時はスタンドで涙。「23年間お疲れさまでしたと言いたいです。これからは体を休めて元気なパパでいてほしいです」と労をねぎらった。

 ▼巨人・木村拓(8回打席で広島時代の先輩・緒方への中飛)ヒットを打ちたかったけど緒方さんのところに吸い込まれた。お疲れさまでした。

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2009年10月11日のニュース