48億円3、4番が劇弾!ヤンキースサヨナラ勝ち

[ 2009年10月11日 06:00 ]

<ヤンキース・ツインズ>延長11回、サヨナラ本塁打を放ち生還するテシェイラをナインとともに本塁上で迎える松井秀喜(右端)

 【ヤンキース4-3ツインズ】9年ぶりの世界一を目指すヤンキースが9日(日本時間10日)、ツインズとの地区シリーズ第2戦で劇的なサヨナラ勝ち。2連勝で5年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出へ王手をかけた。9回にアレックス・ロドリゲス内野手(34)が起死回生の同点2ランを放ち、延長11回にはマーク・テシェイラ内野手(29)が自身ポストシーズン初本塁打となるサヨナラ弾。2人合わせて年俸約48億円の3、4番コンビが大舞台でも真価を発揮した。

【ヤンキーススタジャン
試合結果


 「勝負弱い」とレッテルを張られた男は、生まれ変わってポストシーズンに帰ってきた。1―3で敗色濃厚の9回無死一塁だ。今季47セーブのネーサンをロドリゲスが打ち砕いた。バックスクリーン右横へ飛び込む同点2ラン。鳴りやまないカーテンコールの中で誇らしげに帽子を掲げた。

 「最高の気分だ。今年は手術も受け、新たなスタートだった。この舞台を楽しめている」。04年のヤ軍入り後、10月のポストシーズンではことごとく期待を裏切ってきた。チームは05年から3年連続で地区シリーズで敗退。その3年間で打率・159(44打数7安打)のロドリゲスは常に批判にさらされてきた。だが、第1戦で2本の適時打を放ちポストシーズンでの得点圏連続打数無安打を19で止めると、この試合も6回の同点適時打も含む3打点の大活躍だ。

 「今年は自分に何も期待していなかった。15本塁打、50打点で十分とも思っていた」。キャンプ中に右股関節の手術を受け、復帰は5月8日と出遅れた。「気負わず、どんな場面でも普段のスイングを繰り返せるようになった。それが今も続いている」。観戦に訪れた執刀医のフィリッポン氏に最高の雄姿を届けた。

 球界最高年俸3300万ドル(約29億7000万円)の4番がつないだ試合をものにしたのが、年俸2062万5000ドル(約18億5600万円)、移籍1年目でMVP最有力候補に挙がる3番・テシェイラだ。延長11回、先頭で左翼ポール際へサヨナラ弾を突き刺した。ロドリゲスの隣で受けたヒーローインタビューでは、恒例の“顔面パイ”の祝福を受け「ようやくこれが味わえた」と満足げ。今季15度もサヨナラ勝ちを記録した終盤の強さを発揮し「この2人が打線にいるのは監督として信じられない」とジラルディ監督も喜んだ。

 2連勝で地区シリーズ突破へ王手をかけた。気温20度のニューヨークから一転、試合後の深夜に到着したミネアポリスでは雪がサヨナラに沸くナインを出迎えた。敵地での3連勝スイープへ。世界一への歩みが一気に加速した。

 ≪松井秀3の0も次に気持ち向ける≫ヤンキース5番の松井は、同点の6回2死一、二塁で一ゴロに倒れるなど、1四球を含む3打数無安打。チームは連勝で王手をかけたが「ちょっとしたことで流れが変わる。そういう意味では怖いから、あさって勝てるように」と3連勝突破に向け、気持ちを次へ向けた。モリーナが先発マスクをかぶり、正捕手・ポサダとどちらがDHで出場するかは米メディアにも注目の的だった。快音は残せなかったが「松井が後ろにいることで、前の2人(テシェイラ、ロドリゲス)の力になっている」とジラルディ監督は変わらぬ信頼を口にした。

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2009年10月11日のニュース