マー君 最多勝より日本一獲りローテ

[ 2009年10月3日 06:00 ]

ノックを終え、グラブトスで上がる田中将大

 マー君はCS優先、日本一ローテだ!2日のソフトバンク戦は雨天中止となり、先発予定だった楽天・田中将大投手(20)は5日のオリックス戦(京セラドーム)に回ることが決まった。勝てばクライマックスシリーズ(CS)進出が決まる3日の西武戦(Kスタ宮城)にスライド先発する可能性もあったが、あえて温存。万全の状態でCSに備えるためで、野村克也監督(74)は日本シリーズを見据えたVローテーションで残りの戦いに挑む。

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 昼すぎからの強い雨が小降りになった午後7時。白いロングTシャツ姿でクラブハウスから出てきた田中が、レギュラーシーズン最後の先発が5日のオリックス戦に決まったことに口を開いた。

 「ことし最後の先発じゃないですから。まだ決まってないですけど、CSがありますから」

 ソフトバンク戦は雨天中止。CS進出マジックは2のままだが、3日からはマジックの対象チームである西武との直接対決2連戦となった。勝てば球団初のCS出場が決まる大一番。だが、佐藤投手コーチら首脳陣は田中のスライド回避を決め、3日の先発は青山となった。

 佐藤コーチは「たいしたことじゃないよ」とはぐらかしたが、田中はシーズン終盤に来て不安を抱えている右肩、右ひじを含め疲労がたまった状態。9月に入って4試合で2勝2敗、防御率5・14と調子も落ちているだけに、2日先発をずらし、中9日と十分な間隔で5日に先発させることを決め、その後はCS第1ステージに直行する。

 仮に、3日にスライド登板すれば2度先発が可能で、現在、リーグトップに1勝と迫る14勝から最多勝に届く可能性も残っていた。だが「疲れもあるだろうし、CSの方が大事。そこでなるべくいい状態でという判断です」と橋上ヘッドコーチ。岩隈、田中の2本柱でCS、日本シリーズの短期決戦を勝ち抜く“日本一狙い”の準備に入ったといえる。田中も「2日登板が延びれば体にとってはいい。最多勝?まあそれよりCSの方が大事でしょう」とチームの方針に異存もなく、大舞台への闘志を隠そうとしなった。

 練習開始時に野村監督はテレビカメラ6台、約30人と普段より多い報道陣に「まだ日本シリーズには早いよ」と冗談交じりで笑いを取った。そして「きょうは恵みの雨か」とポツリ。3日、西武との直接対戦で一気にCS進出は決める構えだが、CS切符が目標ではない。用意周到な準備で野村楽天が、一気に頂点を目指す。

 ▼データ 楽天が2位でCSを通過した場合、田中はCS第1ステージ2戦目の登板が濃厚だ。田中のKスタ宮城でのソフトバンク戦は6試合に登板し3勝1敗、防御率2・05の好成績。防御率はKスタ宮城以外の同カードの3・49より1点以上も低く、48回1/3で60三振を奪うなど力投が目立っている。特に最近は08年7月19日の4回に3失点して以降、目下21イニング連続で無失点を継続中だ。

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2009年10月3日のニュース