楽天ついに2位!連夜の逆転ソフトB討ち

[ 2009年10月2日 06:00 ]

<楽・ソ>3回2死、鉄平(左)は右中間へ勝ち越しの本塁打を放ちナインに出迎えられる

 【楽天5―4ソフトバンク】仙台が熱い。楽天は1日、終盤の猛攻で会心の逆転勝ち。ソフトバンクをかわして、5月30日以来となる約4カ月ぶりの2位浮上を果たした。シーズン残り8試合でクライマックスシリーズ(CS)進出マジックはとうとう「2」。3日にも歓喜の瞬間を迎える野村克也監督(74)だが、目指すのはCS本拠地開催、そしてその先にある日本一。勢いづくイヌワシ軍団にとって、それはもはや夢物語ではない。

 ほほ笑みで返した。2位浮上を決めた三塁ベンチ前のハイタッチ。野村監督に「鉄平デーや」と叫ばれたヒーローは申し訳なさそうに頭を下げた。狭い通路で報道陣に囲まれ、静かに言った短い言葉に勢いに乗るチームの強さの理由を込めた。
 「みんなで取った勝ちです」
 勝利の女神に見放されそうになるたび、ポーカーフェースの鉄平が立ちはだかった。同点とされた3回は右中間へ勝ち越し10号ソロ。5回は逆転を許してなお1死二、三塁で、オーティズの中飛を捕球するや強肩を披露。タッチアップした三塁走者・松田をワンバウンド返球で本塁で刺した。2点を追う7回1死一塁はつなぎ役に徹して三遊間を破って好機を広げ、草野、リンデンの連続適時打で逆転につなげた。
 「きょうは鉄平デーだよ。ホームランといい、攻守にわたって活躍」と野村監督も大絶賛。これだけ褒められても「守備?アウトになればいいんです」とそっけない返答。だが2年ぶりの2ケタ本塁打到達には「親とかがよく言うんですよ、当てにいっているとか。きょうもメールが来て。だからマン振り(フルスイング)してやりました」と勝利の女神を上回るとびきりの笑顔を見せた。
 リーグ打率トップの鉄平が演出した7回の逆転劇は4安打で3得点。前日5回6点の再現のようだったが安打は中村真、草野、鉄平、リンデンとすべて左打者。「前の打者の結果球とか入り球を細かく観察しろと言ってある。あの回に同型の左打者が打ったのはお互いに参考にしながらやったのもある」と橋上ヘッドコーチ。鉄平も「アバウトには見ています」。自分だけじゃない。前の打者、次の打者の打席を参考にして攻略法につなげる。この日は9安打中8本が左打者による安打。連日つながる楽天打線の秘密はこんなところにも潜んでいた。
 後半戦は“お家芸”ともなった逆転勝利で球団新の貯金11として、5月30日以来4カ月ぶりに2位浮上。CSマジック2と同時に“2位マジック”も6が点灯した。「ナイスゲーム。よく勝ったね。神がかり的なものが来ている。この流れを大事にしたい。何とか仙台でCSできるようにね。あした勝てば非常に可能性が出てくる」。野村監督が見据えるのは3位じゃない。地元でのCS開催。杜の都で実りの秋を、今こそ実現させる。

 ▼楽天・川岸(5回1死二、三塁から登板し、2回2/3を無失点で4勝目)今は完全に逆転する雰囲気がある。もう3位は目標じゃない。2位を目指す。

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2009年10月2日のニュース