憲伸 休養日返上スクランブル登板で7勝目

[ 2009年9月2日 06:00 ]

マーリンズ戦に先発したブレーブス・川上憲伸

 【ブレーブス5―2マーリンズ】ブレーブスの川上憲伸投手(34)が8月31日(日本時間1日)、マーリンズ戦に緊急先発。6回を6安打1失点に抑えて7勝目(10敗)を挙げた。当初は休養予定だったが、チームの編成上の事情で前日に登板が発表されるドタバタ。調整もままならない“ぶっつけ本番”の中できっちり結果を出し、チームのワイルドカード争いに望みをつなげた。

 まさにスクランブル登板だった。しかも相手は今季2戦2敗で計11失点を喫しているマーリンズ。ワイルドカードも争うリーグ屈指の強力打線相手に、川上は無心で腕を振り抜いた。
 「本当に急なことだったが、チーム状況が切羽詰まっているので、変なことを考える余裕がなかった」。川上は4日前にコックス監督から休養を言い渡された。ところが野手に故障者が続出。代役予定だった故障明けのハドソンを昇格できなくなり、急きょ前日になって「やはり川上が先発」と発表された。通常2日前の投球練習もできなかったがマウンドでは「簡単に投げず、考えて間を空けたりしたのが良かった」と冷静に対処した。
 初回から内外角を丁寧に突いた。失点は2回、犠飛による1点だけ。リーグ打率首位の主砲ラミレスは、いずれも変化球で2度の空振り三振に斬って取った。打席でも無安打投球を続けていたジョンソンから6回にファウルで10球粘って、次打者がチーム初安打。代打を送られた7回、打線が3点を奪い逆転。川上に7勝目の“ご褒美”が転がり込んできた。「彼が素晴らしい選手というのは春のキャンプから分かっていた」とコックス監督も脱帽だ。
 メジャー1年目の今季。マイナー降格はなく、開幕からフル回転している。6月24日ヤンキース戦で首に打球を受けたが、1度登板を飛ばしただけで復帰。上原、松坂ら日本人投手が相次いでDL入りする中で「日本人投手はみんなDLという評価になる。だから自分は残らなあかんと思っている」。サムライとしての強烈なプライドが川上を突き動かしている。
 ワイルドカード首位とは3ゲーム差。主砲のジョーンズは「おそらく今年一番大きな勝利だ」と喜んだ。シーズンは残り1カ月。逆転プレーオフ進出のカギは、背番号11が握っている。

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2009年9月2日のニュース