ブチ切れ寸前…鬼の形相…ダルは自分と闘っていた (1/2ページ)

[ 2009年8月15日 06:00 ]

<日・西>7回無死二、三塁、石井義に中前打を打たれ、本塁ベースカバーに入るダルビッシュは東主審に“激突”

 【日本ハム3―2西武】ダルの熱投で18日にもマジック点灯だ。日本ハムのダルビッシュ有投手(22)は14日、西武戦に先発し、8回を5安打2失点に抑え、ハーラー単独トップの14勝目を挙げた。12三振を奪い、奪三振、防御率も合わせて投手3冠に返り咲いた。チームもリーグ最速で60勝に到達。早ければ18日にも優勝マジック34が点灯する。

【日本ハムグッズ
試合結果


 ブチ切れる寸前だった。1点リードの7回、先頭・中島に中前打、中村に左翼線二塁打を浴びるとダルビッシュはロジンをマウンドに叩きつけた。「踏ん張りどころで踏ん張れなくて…。無死二、三塁になったところから1人で“イライラ”していた」。石井義の中前打で同点とされ、G・G・佐藤の二塁内野安打で勝ち越しを許した。まさかの4連打に、スーパーエースの顔は鬼の形相に変わっていた。
 だが、ここから粘った。なおも無死一、二塁。清水のバントを好フィールディングで三塁封殺。7月8日に決勝弾を浴びた代打・上本には直球を投げなかった。カーブとフォークで追い込むと最後はチェンジアップで空振り三振。「前回、直球を打たれたのもあるけれど、チェンジアップやフォークを打たれることはありませんから…。直球だって間違えなければ打たれません」。冷静さを取り戻して投じた変化球は最高の1球だった。
 「あそこで完全に気持ちが切れていたら4、5点取られていた」。この回を2点でしのぎ、8回5安打2失点。「球数以上に7回は力を使ったからね」と梨田監督。9回は守護神・武田久にマウンドを譲ったが、今季14勝目を手にした。
 これで東北と横浜のエースとして高校時代からしのぎを削ってきた西武・涌井を一歩リード。「最近はちょっと意識していた」と言うが、7日の楽天戦(Kスタ)で田中に投げ負けた上に、エースとして西武に2戦連続では負けられなかった。
 防御率、奪三振と合わせて投手3冠に再浮上も個人記録は一時封印。「昨年はシーズンで負けているので、優勝の方がうれしいことも分かっている。そこ(涌井)に付き合っている場合じゃない」。チームは60勝に到達し、2位ソフトバンクの3連敗を条件に最短で18日に優勝マジック34が点灯する。16日はダルビッシュにとって23回目の誕生日。過去5年間で8月10勝3敗の“夏男”は2年ぶりの王座奪回のために投げ続ける。

続きを表示

2009年8月15日のニュース