田中10勝!「それがどうした!オレは優勝したいんや」

[ 2009年8月15日 06:00 ]

<楽・ロ>ファンの声援に答える田中将大

 【楽天4-3ロッテ】気をもんだ分、喜びも大きかった。楽天の守護神・福盛が9回、1点差に迫られ、なおも2死一、三塁。西岡が二ゴロに倒れた瞬間、田中は三塁ベンチで跳び上がった。「抑えてくれると思ってましたよ」。それでも苦労してつくっていたポーカーフェースは満開の笑顔に。そして、2年ぶりの10勝の感想をこう表現した。

 「通過点だと思うけどとりあえず10勝。節目の勝利は素直にうれしい。でも、求められているところは2ケタは当たり前。それ以上というのは感じているので、そこまで意識していなかった」
 最悪の立ち上がりだった。初回2死走者なしからサブローに左中間15号ソロ。続く大松にも左越え16号ソロを浴びた。連続本塁打はもちろん、1イニング2被弾もプロ初めて。「高校時代も?ないですね」という“人生初”の屈辱にも、崩れない田中らしさを見せた。
 4回から走者なしでもセットポジションでの投球に切り替え修正を図った。「直球がよくなかったし(フォームの)タイミングが合っていなかった。調子がよくなかった分、丁寧に投げようと思った。しっかり踏ん張って投げられたのは良かった」と2回以降は3安打、毎回の8奪三振。「最近、フォークにしても、スライダーにしても離すのが早かったかなと。もう少し球を持って投げていたなってのは投げていて気づいた」と手応えもつかんだ。
 田中の10勝目に野村監督は「それがどうした。マー君が10勝したのがなんや。オレは優勝したいんや」。だが、3位西武に2・5ゲーム差となり「5割に戻して連敗しなけりゃチャンスは出てくるんじゃないの」と追い上げへ本腰だ。
 今季最多の観衆2万737人の前で節目のプロ30勝。「中途半端(な数字)なのでいい」と受け流した田中は「絶対、クライマックスシリーズに出たいので、当たり前だけど自分の投げる試合は全部、勝ちに行く」。収穫の多かった白星が田中の言葉に力強さを与えた。

続きを表示

2009年8月15日のニュース