立正大淞南 天国の前監督もスタンドで勝利見届ける

[ 2009年8月15日 20:33 ]

 【立正大淞南1-0華陵】兵庫県西宮市の甲子園球場で行われている全国高校野球選手権大会で、15日、初出場の立正大淞南(島根)が初戦の2回戦でサヨナラ勝ちし、スタンドで見守る田中謙二前監督の遺影に勝利を報告した。

 田中さんは横浜(神奈川)で松坂大輔投手(レッドソックス)らをコーチとして指導した経験もあり、2002年4月、甲子園出場を託されて立正大淞南の監督に就任した。しかし、07年9月に心筋梗塞のため、41歳で帰らぬ人に。最後の教え子たちでもある現在の3年生が入学して半年後の出来事だった。
 一塁側アルプス席では妻の立子さん(42)と娘の菜々香さん(23)が遺影とともに声援を送った。立子さんは「主人は今、天国じゃなく、ここにいると思う。どんな場面でもおまえたちの力を信じろと伝えるんじゃないかな」と、田中さんが出場を果たせなかった夢舞台に感慨深げだった。
 甲子園出場が決まると松坂投手から用具が贈られ、この日の試合で、そのバットを使った選手もいた。田中さんを慕い、神奈川の中学から島根にやって来たエースの崎田聖羅投手は5安打で完封した。「ピンチのときは田中先生の力を借りたくて空を見上げた。おとこ気のある、おやじのような人だった」と話した。

続きを表示

2009年8月15日のニュース