強いPL学園、4番とエース不在でも底力

[ 2009年8月15日 12:29 ]

 【PL学園6-3聖光学院】左へ右へ、PL学園打線の打球が外野を襲った。

 2点差を追い付かれた直後の六回。河野監督から「ここまで投手が頑張ってきた。取り返そう」とげきが飛んだ。2死一、三塁から、高めの直球を強引に振り抜いた中井の当たりは左中間へ。「それまで右打ちを意識しすぎて振りが小さくなっていた」と言う6番打者が、勝ち越しの2点二塁打を放つと、続く受川は右中間へ三塁打を放って、さらに1点を加えた。
 河野監督が「調整不足だった」と言う今春の選抜大会、2試合でPL学園が奪った得点は2点。2回戦ではエース中野が延長十回1死まで無安打投球だったが援護できず敗れ、野手陣は「打てないと勝てない」と打撃練習に力を入れた。中野がひじ痛で離脱した大阪大会では、春の4番勧野がベンチを外れる中、8試合で12本塁打の強打で今度は投手陣を助けた。
 この日は一発は出なかった。だが一回には2死走者なしから3連続長短打で2点を奪い、河野監督は「ああいう野球を目指してきた」と満足げに話す。各打者の弱点を徹底的に研究してきた聖光学院の好投手、横山をつなぐ攻撃で攻略した。
 「やる時はすごい力を発揮する強いチーム」と中井がにこやかに言えば、河野監督も「きょうみたいな感じでやっていれば、結果はついていてくる」と自信をのぞかせた。エースも4番も不在のこの夏、PL学園が底力を見せつける。

続きを表示

2009年8月15日のニュース