運命感じる!菊池の初戦は“今村の敵”長崎日大

[ 2009年8月6日 06:00 ]

<組み合わせ抽選会>ナインから指をさされながらガッツポーズを決める花巻東・菊池

 8日に開幕する第91回全国高校野球選手権大会(15日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が5日、大阪市内の大阪国際会議場で行われ、今春センバツ準優勝でプロ注目の花巻東・菊池雄星投手(3年)は1回戦で長崎日大と対戦することが決まった。くしくも長崎日大は菊池がセンバツ決勝で投げ合って敗れた清峰・今村猛投手(3年)を倒して代表の座をつかんだ相手。菊池が因縁の長崎勢にリベンジを果たし、悲願の優勝に向けてスタートを切る。

【組み合わせ


 その瞬間、場内が大きくどよめいた。初戦の相手は長崎日大。菊池は左隣に座っていた三塁手・猿川の手をギュッと強く握りしめた。
 「今村君を倒した相手。この対戦に“運命”を感じます。(きょうの抽選会は)生まれて一番緊張した。チャレンジャー精神で戦いたい」
 雪辱の舞台はいきなり訪れた。今春センバツ。決勝で長崎代表の清峰・今村と球史に残る投手戦の末に、0―1で敗れた。それから菊池にとって、今村は目標であり、最大のライバルだった。緩急をつけながらの徹底した低めへの投球。三振を狙わず打たせて取る投球で野手のリズムをつくる…。今村の投球スタイルを菊池は「教科書」とまで評した。だからこそ今夏の岩手大会でも「今村をまねました」と、最速152キロの剛球も投げ込む一方で、時に50キロ台の超遅球で打者をほんろうした。誰より楽しみにしていた再戦。しかし、今村は長崎大会準々決勝で長崎日大に敗れ、姿を消した。
 注目の一戦は大会第3日第4試合。地元・花巻と比べて「体感温度が10度以上違う」という甲子園だが、午後4時開始予定で炎天下の戦いを避けられることは大きい。07年夏の甲子園初戦となった新潟明訓戦では5回から2番手で登板し、1失点で敗戦投手になった。実はその裏には酷暑に耐えきれず、宿舎でクーラーをつけっ放しにして体調不良に陥ったことがあった。今夏は2日の大阪入り後もクーラーは一切使わず、毎日の投げ込みも岩手大会前の半分以下の30球程度。しかも7月24日の同大会決勝以降は1週間ノースローを貫き「体調は岩手大会以前に戻っています」と自信をみなぎらせた。
 この日の午前中には宿舎近くの「ドン・キホーテ」で「今大会を記憶にとどめる」とデジタルカメラを購入。初戦を突破すれば、2回戦で佐々木監督がかつてコーチを務めていた横浜隼人と戦う可能性もある。「隼人と戦うのも運命かな?でも初戦、今村君は僕と長崎日大どっちを応援してくれるんでしょうね?いずれにしても注目されるのは分かっている。全国に成長した自分の姿をみせつけます」。いよいよ、菊池の最後の夏が始まる。

 ≪長崎日大 金城監督「ハードルが高い」≫花巻東との対戦が決まった金城監督は「清峰よりハードルが高い。菊池君は一塁にヘッドスライディングするくらい気力のある子。彼からどれだけ得点できるか」と試合のポイントを挙げた。ただ、ファーストストライクを打つ積極打法で打倒・今村を果たした選手は自信満々だ。中村主将は「菊池君は雑誌にも毎回載っているし、凄いピッチャーなんでしょうね。でもウチの野球をするだけ」と動じることはなかった。

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