松井稼790万円“逆転チキン弾!”大台あと「9」

[ 2009年8月5日 06:00 ]

 【アストロズ4―3ジャイアンツ】豪快“チキン弾”だ――。アストロズの松井稼頭央内野手(33)が3日(日本時間4日)、ジャイアンツ戦で1―2の6回に逆転の5号2ランを放った。値千金の当たりは全米レストランチェーン「Chick―fil―A」が広告を出す右翼ポールを直撃し、観客全員にチキン・サンドイッチが無料で配られることに。ファンも大喜びの一撃で、日米通算2000安打まで9本とした。

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 1点を追う6回無死三塁。松井稼が内角の直球を絶妙のタイミングで振り抜いた。リーグ最多12勝を挙げている右腕ケーンが投じた94マイル(約151キロ)。高く舞い上がった飛球は右翼ポールを直撃した。
 「切れるかどうかの当たりだったが、最後は入ると思った。フルカウントで内野手も後ろに下がっていたし、何とかバットに当てて転がせれば1点が入るから食らいついていこうと…。厳しいコースだったが、うまいこと体が回ってくれた」
 自画自賛の一振りで試合をひっくり返した松井。地元ファンも総立ちで興奮した。それもそのはず。チームを勝利に導いたのはもちろん、打球が直撃したのはア軍の帽子をかぶった牛が描かれ、「EAT MOR FOWL(ファウルボールを食べちまえ/もっと鶏肉を食べろ)」の文字が躍る右翼ポール。ア軍の本拠であるミニッツメイド・パークのこのポール、06年7月から全米レストランチェーン「Chick―fil―A」が広告主となっている。ア軍選手の放った打球が当たると、当日の入場券と引き換えで同レストランの名物チキン・サンドイッチが観客全員に無料で提供される。今季54試合目にして初めて出た直撃弾。同サンドイッチはテキサス州では2ドル79セント(約265円)で販売されており、この日の観客2万9835人分に換算すると、松井は約790万円をファンにごちそうした計算だ。
 自らにとっても自信が深まる一発だ。右太腿の張りでDL入りした5月22日以前は、左打席での打率は・191。打席内で体がボールを迎えるような形で流れ、思うような打撃ができないでいた。そこでDL入り後はベリー打撃コーチと二人三脚で修正。軸足となる左足にため、右足に“壁”をつくることで、アッパー気味だったスイングがレベルに戻った。そしてDLからの戦列復帰後は・286と右打席に匹敵する確実性が生まれた。
 この日の最優秀選手に選ばれ、試合後のテレビインタビューでサンドイッチの話題をふられると、「ほんまに?」と思わず関西弁が飛び出すほどに驚いた。日米通算2000安打まで残り9本。「ぎりぎりまでは分からずにいきたい。でもそういうわけにはいかないし…」と苦笑いしたが、いよいよ本格的にカウントダウンが始まった。

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2009年8月5日のニュース