狙い通りのMVP!中田は何か持っている!

[ 2009年7月24日 06:00 ]

<全ウ・全イ>賞金100万円のボードを手に笑顔の中田翔

 【フレッシュオールスター・全イースタン7―0全ウエスタン】若手選手主体のフレッシュオールスターゲームが23日、札幌ドームで行われ、イースタン選抜が7―0で勝利した。4番に座って2安打2打点の日本ハム・中田翔内野手(20)が最優秀選手賞に輝き賞金100万円を獲得。過去、イチロー(マリナーズ)、青木(ヤクルト)らそうそうたるメンバーが名を連ねる同賞受賞者の仲間入りを果たした。中軸を組んだ巨人・大田泰示内野手(19)も二塁打1本。“フレッシュON”が北の大地で競演した。

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 これが中田の意地だった。7回、橋本のバント安打と大田の左中間二塁打で1死二、三塁。「1年目の子たちが必死で自分に回してくれたチャンス。絶対に打ってやろうと思った」。打球は左翼線を鋭いライナーで破る2点二塁打でダメ押し。狙っていたMVPも同時にたぐり寄せた。
 お祭りムードの中でも冷静だった。2回の第1打席で蕭一傑の直球勝負に空振り三振。「正直、あそこは一発を狙っていた。ただ、狙いすぎると打てないと分かった。だから、いつものイメージに戻して上から叩いたんです」。先頭だった4回は左翼線二塁打でチャンスメークすると、6回は追い込まれてから四球。バッテリー間のテンポを盗んで二盗も成功させた。打撃だけでなく2軍で守備、走塁にも力を注いでいる成果を発揮した。
 後輩左腕、土屋とひそかにMVPの獲得プランを練っていた。「一緒にMVPを狙っている。投手が獲るのは難しいと思うけれど、もし獲れたら山分けしてもいいかな…」。そんな冗談が実現となったのだから、やっぱりこの男は何か持っている。それでも100万円の使い道については「まだ決まっていないので、これから考えます」とにんまりした。
 とはいえ一番うれしかったのは賞金よりも、何より本拠地のファンの前で活躍できたことだ。表彰式後は左翼席から“ナカタコール”がわき起こると、右手で100万円のボードを大きく掲げた。「MVPはスターの登竜門と言われるが、そんなにうまくいくとは思っていない」。絶対に1軍で活躍する。再昇格への道は険しいが、北海道で待つファンに決意のメッセージは届いたはずだ。

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2009年7月24日のニュース