球宴第1戦はセが競り勝つ!MVPは青木

[ 2009年7月24日 17:57 ]

9回、逆転2ランを放ち笑顔の青木

 プロ野球マツダオールスターゲーム第1戦は24日、札幌ドームで行われ、全セが10―8で接戦を制した。最優秀選手(MVP)には青木(ヤクルト)が選ばれた。通算成績は全セの69勝74敗8分け。全セは5点を追う八回に4長短打などで1点差に詰め寄り、九回無死一塁で青木が右越え本塁打して逆転した。三浦(横浜)が八回から2イニングを無失点で切り抜け、反撃を封じた。全パは先発のダルビッシュ(日本ハム)が右肩に打球を受けて1回で降板。攻守に好プレーがあったが、リードを守れなかった。第2戦は25日に広島市のマツダスタジアムで行われ、全セは大竹(広島)、全パは涌井(西武)が先発する。

 力みのない柔らかいスイングで、内角球をはじき返した。九回、逆転2ランを放ったヤクルトの青木に、自然と笑みが広がる。「ことし一番のいい当たりだった」。今季の不調を振り払うような一発で、3年ぶり2度目のMVPをつかんだ。
 1点を追う九回無死一塁。武田久にカウント2―2と追い込まれた後の5球目だった。「球が速かった。たまたま」と控えめに振り返ったが、その言葉とは裏腹の力強いライナーが右翼席に突き刺さった。
 過去に首位打者を2度獲得。今春のWBCではポジション別優秀選手に選ばれる活躍で日本の連覇に貢献した球界屈指の好打者だが、今季は極度の不振に悩まされている。前半戦を終えて打率2割4分9厘と低迷し、この日の試合前には「今は心も折れそうなぐらい。きょうは野球を楽しみたい」と神妙に話していた。
 公式戦の重圧から解放されて本来の姿を取り戻したのか、原監督が「彼らしいパワフルな本塁打だった」と絶賛する打撃だった。復調への周囲の期待は、痛いほど感じている。「これをきっかけに、後半戦も頑張っていきたい」。そう言って引き締めた口元には、喜びの色はもう残っていなかった。

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2009年7月24日のニュース