伊良部、日本球界に復帰!9月移籍も…

[ 2009年7月24日 12:00 ]

日本球界復帰を目指していることが分かった伊良部

 ロッテや阪神、大リーグのヤンキースなどで活躍した伊良部秀輝投手(40)が早ければ9月に日本球界に復帰することが23日、明らかになった。現在、米独立リーグ、ゴールデンベースボールリーグ(GBL)のロングビーチ・アーマダに所属している伊良部は、すでに関西独立リーグの大阪など日本の独立リーグの数球団と移籍交渉を開始。来年以降の日本プロ野球復帰を目指して独立リーグから猛アピールする構えだ。

 今年6月に米独立リーグで5年ぶりに“球界復帰”した伊良部が、9月にも日本でプレーすることになった。すでに関西独立リーグの大阪をはじめ、今年1月に指導しているうちに自身の現役復帰につながった経緯がある阪神時代の後輩・伊代野が所属している四国・九州アイランドリーグの高知、さらに尽誠学園時代を過ごした同リーグの香川などと接触、交渉を開始している。
 伊良部は現在、GBLのロングビーチ・アーマダに所属。今季は8試合に登板し、4勝3敗、防御率3・86をマーク。21日(日本時間22日)のセントジョージ戦では6回3失点で3敗目を喫したが、150キロの速球と140キロ台の高速フォークは、かつてヤンキースの先発ローテーション投手として世界一に輝いた当時の切れを取り戻しつつある。
 04年に阪神で現役を引退した理由となった右ひざ痛も現在は全く問題ない状態で、本人も大きな手応えをつかんでいる。先日も米国を訪れた日本球界関係者に「日本に戻ってやりたい」と打ち明けるなど、再び日本のプロ野球チームでプレーしたいという気持ちが膨らんでいるという。
 伊良部の代理人の団野村氏は、すでに古巣のロッテや阪神、また団氏の父、野村監督の楽天など日本の複数球団と接触。ある球団の編成部関係者も「うちの補強ポイントとはマッチしないが、やる気を感じた」と話している。しかし、チーム事情や、球団側による伊良部の調査不足、7月いっぱいが補強期間という時間的な問題などを理由に、獲得に動く球団は現れなかった。
 そのため、来季以降の契約を目指して、ロングビーチでの今季最終戦後の9月から日本の独立リーグに移籍することを模索。国内球団の編成やスカウトの前で、日米通算106勝の技術と経験を披露する構えだ。
 団野村氏は本紙の取材に対して「今後は本人の気持ちを最優先に考え、話し合っていきたい」と語り、日本球界復帰への道を探っていく方針を示している。伊良部はロングビーチの入団会見で「自分に期待しすぎてうまくいかなかった時にショックが大きいので、マウンドに立てる喜びを感じて楽しみたい」と笑顔を見せていたが、予想以上のパフォーマンスに投げるごとに自信は深まっていった様子。40歳右腕の今後の動きから目が離せなくなってきた。

 ◆伊良部 秀輝(いらぶ・ひでき)1969年(昭44)5月5日、兵庫県出身の40歳。尽誠学園では2、3年の夏に甲子園出場。87年ドラフト1位でロッテ入団。96年シーズン中にメジャー移籍希望を表明。翌97年1月に所属していたロッテがパドレスに独占交渉権を与え、契約後にトレードの形でヤンキースへ移籍。その後はエクスポズ、レンジャーズでプレー。03年に日本球界に復帰し阪神に所属。04年に現役引退を表明していた。今季は米独立リーグのロングビーチ・アーマダに所属。1メートル93、103キロ。右投げ右打ち。

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2009年7月24日のニュース