高卒最速107戦目!ダルが松坂超え60勝!

[ 2009年7月23日 06:00 ]

 【日本ハム2―1ロッテ】これが正真正銘のエースだ。日本ハムのダルビッシュ有投手(22)は22日のロッテ14回戦(札幌ドーム)に先発。7回1死までノーヒットノーランの快投を演じ、9回2安打1失点。今季4度目の完投勝利でハーラートップタイの12勝目を挙げた。登板107試合目にしての通算60勝到達は、松坂(西武―レッドソックス)を抜く超ハイペース。チームも5連勝となり、貯金を今季最多16の首位で前半戦を折り返した。

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 流れ落ちる汗とは対照的に、ダルビッシュの表情は涼しげだった。9回2死、サブローに左中間席へ運ばれて完封こそ逃したが、最後は気持ちを切り替えて橋本将を二ゴロで仕留めた。「直球の制球が良かったので自信を持って投げ込みました。きのう(西武の)涌井が“あしたはダルビッシュも勝つと思うので…”と言っていたので負けたら恥ずかしかった」
 7回終了まで無安打だった6月26日のロッテ戦(千葉マリン)に続き、この日も“快挙”の雰囲気が漂った。7回1死まで、またノーヒットノーラン。橋本将に右前打を許し、記録はまたも夢と消えたが、今季12勝目を挙げ、1日遅れでハーラートップの親友・涌井に並んだ。
 卓越した修正能力を誇るダルビッシュにとっては、不安定な立ち上がりもさ細なことだった。初回に2四球と制球に苦しんだが、直球とチェンジアップのコンビネーションで尻上がりに調子を上げた。吉井投手コーチが今季一番と評した角度ある直球。本来なら剛腕の本能で直球で押したいところだが、ダルビッシュは「力勝負にいかないのが今年良くなったところ」。エースとしてチームの勝利を最優先する大人の投球も身に付けたのだ。スタンドでは第2子を妊娠した紗栄子夫人(22)も観戦。そしてダルビッシュは前日には試合前のベンチに初めて愛息を連れてきた。「家族がいるからこそしっかり投げたい」。周囲で支えてくれる人たちの存在が右腕を成長させている。
 24日は本拠・札幌ドームで開催される球宴第1戦で全パの先発を務める。当初は中1日の強行軍であることから、梨田監督と全パの指揮を執る西武・渡辺監督の話し合いで1回限定の方針だった。しかし、9回118球を投げ切ったダルビッシュは「僕のせいで他の先発投手が3回、中継ぎ投手が2回と投げなければいけない。それならば僕は大丈夫」と試合前に既に梨田監督を通じて渡辺監督に2イニングまでいくことを志願した。
 前半戦ラスト登板を締めくくり、ダルビッシュは通算60勝とした。通算107試合目での到達は2リーグ制後、高校出の選手としては松坂の111試合をしのぐ最速。シーズンでも21勝ペースに乗せた。「点の取れない試合で勝っていくのがエース。さすがだね」と梨田監督。ダルビッシュに油断が生まれない限り、首位の座は揺るぎそうもない。

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2009年7月23日のニュース