桑元監督が母校再建!武相 3回戦進出

[ 2009年7月17日 06:00 ]

 第91回全国高校野球選手権大会(8月8日開幕、甲子園)の地方大会は16日、28大会で215試合が行われた。神奈川大会ではアトランタ五輪代表として銀メダルを獲得し、今春に就任した桑元孝雄監督(39)率いる武相が、津久井浜を11―5で下し3回戦に駒を進めた。

【試合結果


 【武相11―5津久井浜】21年ぶりに「BUSO」のユニホームに袖を通し、校歌を聞いた武相の桑元監督は「やっぱりいいものですね」と感慨深げだった。終わってみれば11ー5の大勝も一度は逆転される展開。「ずっと胃が痛かった」。輝かしい実績を持つ選手時代には味わったことのない冷や汗をたっぷりかいた。
 三菱自動車川崎(当時)に所属していた96年のアトランタ五輪銀メダルのメンバー。まだアマチュアだけで日本代表が編成されていたが、後にプロで活躍する松中や井口、福留らとともにキューバや米国など世界と戦ってきた。00年からは兼任コーチに就任。しかし昨年、三菱ふそう川崎の休部が突然決定した。そのまま会社に残る選択肢もあったが「どうしても野球に携わっていたかった」と退社。母校・武相からの監督要請に即決して今春に就任した。
 「最初は個人でやっていて、チームじゃなかった。技術的な指導よりもまず一つのチームにしようと。きょうはそれができたのがうれしかった」
 失点直後に必ず得点して盛り返し、4犠打後はすべて適時打が出た。これこそ指導してきた勝利への執念。5回に決勝3ランを放った4番の平尾は桑元監督と同じ三塁手で「球種を絞れとか、試合中にも分かりやすく指導してくれる」と公式戦初本塁打に笑顔を見せた。
 高校時代に5打席連続アーチを放った伝説は今でも部史に輝く。選手には五輪話も封印したままだが、主将の本間は「打撃練習で手本を見せてくれる時に、やっぱり凄いと思う」と話す。60年代に4度甲子園に出場した古豪。「監督として甲子園がどのようなレベルのものか知りたい」。教え子で、後輩でもある選手たちと、もっと美しく輝く“メダル”を奪いに行く。

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2009年7月17日のニュース