横須賀明光 元吉本芸人指揮官1勝に泣いた

[ 2009年7月13日 06:00 ]

 第91回全国高校野球選手権大会(8月8日開幕、甲子園)の地方大会は12日、38大会で423試合が行われた。全国で最多189校が参加する神奈川大会がこの日開幕。開幕試合では元吉本興業所属の芸人だった田沼宏友監督(29)率いる横須賀明光が金井を下して初戦を突破した。また、沖縄大会では4強が出そろった。13日は33大会で323試合が行われる。

【試合結果


 【横須賀明光6―2金井】笑うナインに福が来た。ただ、肝心の元お笑い芸人、田沼監督だけはベンチ前で男泣きだ。就任2年目で初の夏1勝。思わず感極まった。
 「遠かった1勝なので…。いろいろな思いがこみあげました」。初回無死満塁から4番・新本の右越え三塁打で3点先制。投げてはエース片山が2失点完投で逃げ切り。開会式直後、独特の雰囲気の中でのオープニングゲームをものにした。
 田沼監督は元吉本の漫才コンビ「こふきいも」として活動していたが、07年3月に解散。母校・久里浜のコーチを経て昨春、岩戸との統合で誕生した横須賀明光の監督に就任した。現在は保健体育科の非常勤講師。この日は、午前9時から神奈川県教職員採用試験を受験してからナインと合流した。「ピッチャー振りかぶって投げると思いきやペロリンチョ」のこん身の一発ギャグは見事にすべったが、狙い通りナインをリラックスさせて白星につなげた。
 統合で選手間にあった“壁”は笑いでとりのぞいた。好きな子の名前を叫びながらグラウンドを走る「青春ダッシュ」。移動のバス内では大喜利に挑戦するなど独自のメニューを考案した。「自分には野球の実績はない。お笑いはコミュニケーションのツールです」。指揮官の情熱でチームワークも向上。「監督がムードメーカー。いつも楽しんでやっている」とナインの評判も上々だ。
 2回戦は強豪・横浜と対戦する。自身の高校最後の97年夏も2回戦で横浜と対戦。2年生の松坂と、小・中学校の同級生だった俳優、上地雄輔バッテリーの前に敗れた。「横浜さんはお笑い界でいえばダウンタウン。胸を借りるつもりでぶつかります」。開幕試合を制してつかみはOK。チーム一丸で“2笑目”を狙う。

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2009年7月13日のニュース