片岡が決めた!水田先輩へのサヨナラ弾

[ 2009年7月12日 06:00 ]

<西・オ>延長12回、サヨナラ弾を放った片岡(左)は、阪神へのトレードが決まった水田に祝福され笑顔を見せる

 【西5-4オ】去りゆく先輩への惜別弾!西武の片岡易之内野手(26)が、11日のオリックス戦で延長11回に自身初となる7号サヨナラ本塁打を放った。試合前に西武の水田圭介内野手(28)と阪神の藤田太陽投手(29)との交換トレードが成立。チームは途中出場した水田に白星を贈るために結束し、最後はかつて定位置を争った片岡が決着をつけた。

 先輩との惜別を最高の形で締めくくった。片岡が延長11回にサヨナラ本塁打。4時間30分の死闘に終止符を打つと、でんぐり返しを2度決めて歓喜の輪に飛び込んだ。そして水田の胴上げ。「引退するわけじゃないんだけど…」と言いながら号泣する先輩に向けて片岡はお立ち台で言った。
 「水田さんのために何としても勝ちたかった」。試合前に水田の阪神への交換トレードが発表された。それでも渡辺監督はベンチ入りさせた。異例の判断だったが、西武グループ内のプリンスホテルから入団した選手であり「本当の生え抜きだから、いい形で送り出したかった」と説明。試合前の声出しでも大阪桐蔭の後輩、中村が「水田さんのために勝ちましょう!」と士気を高めた。
 9回1死二、三塁のサヨナラ機。三走は代走・水田で最高の場面が出来上がった。だが、中島は三直。バットに当たった瞬間にスタートする“ギャンブルサイン”で水田は飛び出し、最悪の併殺打。指揮官は「どこで使おうかずっと考えていた。最後、格好良くホームを踏ませようとしたけど、仕方ない」とガックリだった。そんな重苦しいムードの中で飛び出した自身初の劇弾。水田とは入団時のライバルだった片岡は「最初に1軍を競い合った。いつも盛り上げてくれた頼もしい先輩。いいプレゼントができた」と涙をこらえるように話した。
 そして、片岡にとっての惜別はもう1人いた。5日早朝に祖父・五郎さんが心不全のために86歳で他界。「通夜に参加できなかったけど、このホームランでいい報告ができます」と天を見上げた。2人との思い出を胸にリードオフマンはまた強くなる。

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2009年7月12日のニュース