松井秀 鉄人にささぐ12号!7月反攻弾

[ 2009年7月6日 06:00 ]

<ヤンキース・ブルージェイズ>2回1死、松井秀喜は右越えに同点本塁打を放ち、ベンチのナインに迎えられる

 【ヤンキース6―5ブルージェイズ】ゴジラの季節がやってきた。ヤンキース・松井秀喜外野手(35)が4日(日本時間5日)、ブルージェイズ戦でメジャーを代表する右腕、ハラデーから右中間の12号ソロを放った。チームは延長の末、サヨナラ勝ち。メジャー歴代2位の2130試合連続出場を誇る「打撃王」ルー・ゲーリッグが引退式を行って70周年の記念日に花を添えた。2安打の松井は7月に入って2本塁打を含む5安打4打点。上昇ムードが漂ってきた。

【ヤンキーススタジャン


 グラウンドでサヨナラの歓喜がはじける中、松井はベンチで控えめに喜びをかみしめた。「今年はこういう勝ち方が多い。いいこと」。首位レッドソックスに1ゲーム差。ヒーローの1人は間違いなく背番号55だった。
 逆転された直後の2回だ。昨季20勝、今季すでに10勝と大リーグを代表する右腕、ハラデーの真ん中低めの94マイル(約151キロ)ツーシームを狙い打った。内角をえぐるカットボールと、高速に沈む球を併せ持つ右腕から貴重な12号ソロ。「両方追いかけて打つことは難しい。沈む感じの球を待っていた。うまく狙い通りに打てた」と自画自賛の一打。日本人ではマリナーズ・イチローに次ぐメジャー通算500得点にあと1とした。
 8回の第4打席では2番手リーグの96マイル(約155キロ)の外角低め直球を左翼線二塁打。「難しい球だと思うけど、しっかり待ってうまく対応した」。手術明けの左ひざの不安により、バランスが崩れていた時は決して打てなかったコースをしっかり攻略した。
 今年の7月4日は米国独立記念日であるとともに、ヤ軍にとっても特別な日だった。チーム初の永久欠番(4)で「アイアン・ホース(鉄人)」の異名を取ったゲーリッグが1939年の7月4日に引退スピーチを行ってからちょうど70年。06年5月に左手首を骨折するまで1768試合連続出場を続けた松井も「僕だけじゃなくて誰もが尊敬する人だと思う」。かつて旧球場の左翼を守る際、後方の先人たちのモニュメント・パークを指して「左翼を守ってうれしかったのは、それを背に守れること」としみじみ話したこともある。
 メジャー移籍以来、7月4日は18打数9安打3本塁打。“元祖・鉄人”の記念日で、鉄人と呼ばれていた松井が大暴れするのも何かの縁か。7月は3試合で12打数5安打2本塁打4打点。07年に13本塁打を放つなど月間MVPを獲得した大好きな7月、ゴジラの逆襲が始まった。

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2009年7月6日のニュース