石井一、日米通算150勝も「興味ない」

[ 2009年5月14日 06:00 ]

 【西武8―3オリックス】無関心極まりない。ただ、そこが西武・石井一の魅力なのだ。日米通算150勝達成。もちろん感慨に浸る男ではなかった。

 「150勝も200勝も全然興味ないですよ。まあ野球を辞めた時に子供に教えるのに分かりやすい数字ではありますね」。手にはウイニングボール。しかし「家に飾る?飾りませんよ。奥さんか子供にあげる?どっちも興味ないですもん。来月子供をサッカーチームに入れようと思ってますし。僕と一緒で野球に興味がないんです」。すべて本音である。そうは言っても野球の才能に恵まれた男はマウンドで持てる力を出し尽くした。
 「自分の中で今年一番の腕の振り。ピンチも多かったけど自分のボールを信じられた」。直球の最速は149キロをマークした。スライダーの切れも抜群。7三振中空振りで奪ったのは6つ。うちスライダーで5つ奪ったが、すべてボール球だった。急激な変化に打者は思わず手を出し、本人も「切れ過ぎてコントロールするのが難しかった」というほどだった。全盛期を思わせる投球。なぜか。「1勝3敗だったから」。本気になった石井一はやっぱり凄かった。
 6回2/3、3失点。ビジターでは昨年5月28日広島戦(福山)以来約1年ぶりの白星で“内弁慶”も返上した。次の目標は何か。もちろん200勝ではない。「自分が勝つことよりチームメートが喜ぶ姿が好き。自分のことには興味がないんで」。どこまでも無欲な男。明るく楽しく。だから石井一は最高だ。

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2009年5月14日のニュース