大嶺が初完封!ボビーに誕生日プレゼン投

[ 2009年5月14日 06:00 ]

<ソ・ロ>完封勝利した大嶺祐太はファンの声援に応える

 【ロッテ7―0ソフトバンク】ロッテ・大嶺は右手で軽くグラブを叩き、小さくガッツポーズした。9回2死二塁を切り抜けプロ初完投初完封で2勝目。初めて味わうマウンドでの勝利のハイタッチに表情を崩した後、惜しげもなくウイニングボールをバレンタイン監督に手渡した。

 「監督の誕生日だったので、どうしても勝ちたかった。それが完封で良かったです。ウイニングボールはあげると決めていたので、惜しいとは思いませんでした」
 両翼92メートルと狭い北九州市民球場。味方打線の5本塁打に勇気づけられる一方で「自分もいつ一発打たれるか不安だった」という。意識したのは低めへの制球。切れのある直球、チェンジアップを徹底して低めに集めて凡打の山を築いた。
 指揮官の59歳誕生日に最高の恩返しだ。06年の高校生ドラフト。意中の球団だったソフトバンクとの1巡目競合の末、交渉権を引き当てたのがバレンタイン監督だった。悩みに悩んだが、同監督の熱意にも打たれ、入団を決意。球団も出身地の石垣島でのキャンプを実現させるなどバックアップしてきた。今季は初めて開幕から先発ローテーションに定着。ソフトバンク戦は4月17日も7回無失点。そしてこの日、初完封というところに強い因縁を感じさせた。
 4回途中で8失点KOされた4日の日本ハム戦後は3日間、ビデオで投球フォームを徹底チェック。崩れていたバランスを矯正した。10日には1歳年下の弟分・唐川が先にプロ初完封。悔しさを胸にしまい込んでリベンジの機会を待った。
 昨年は唐川、今年は大嶺に誕生日白星をプレゼントされた指揮官は4年連続バースデー勝利だ。「初完封のボールをくれるなんて、これ以上の贈り物はない」。チームは今季2度目の3連勝で4月17日以来26日ぶりに最下位を脱出した。昨季の2勝に並んだ大嶺もまだ20歳。その右腕には同世代の楽天・田中に負けない才能が秘められている。

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2009年5月14日のニュース