坂本初2発!逆転弾&9回球児討ち決勝弾

[ 2009年5月3日 06:00 ]

<神・巨>9回無死、決勝ホームランを放ちナインから熱烈な出迎えを受ける坂本勇人

 【巨人6―5阪神】巨人の坂本勇人内野手(20)が2日、阪神の守護神・藤川球児投手(28)から決勝ソロを放った。4回には3ランと“伝統の一戦”で、プロ初の1試合2本塁打を含む3安打4打点と大爆発。プロ3年目の若武者は打率・398で再びリーグトップに返り咲き。首位を快走するチームは阪神戦2年越しの10連勝となり貯金8とした。リーグ3連覇、7年ぶりの日本一奪回へ20歳の存在感は増すばかりだ。

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 衝撃音が甲子園に響いた。悲鳴、怒号、そして落胆のため息。すべての“声”を全身に浴びながら坂本はベースを一周した。この日2本目となる一撃は接戦に終止符を打つ決勝弾。三塁ベンチ前では、先輩たちの手荒い祝福が待っていた。
 「知り合いも来ていたのでうれしかった。藤川さんはプロに入る前から一発を打ちたいと思っていた。ヒットを狙ってたんですけど打った瞬間でしたね」。同点の9回。先頭で守護神・藤川の151キロ直球を弾丸ライナーで左翼席へ。地元・兵庫出身の20歳はヒーローインタビューで笑顔を振りまいた。
 3回に三塁内野安打。1点を追う4回は光星学院時代も含めた“甲子園1号”、一時逆転となる2号3ランを放った。高卒2年目で全試合出場した昨季は打率・257も、阪神戦はプロ初本塁打の満塁弾など打率・301。相性抜群の相手に今季5度目の猛打賞で打率は・398。金本をかわして4日ぶりにリーグトップに返り咲いた。
 不調時は上体が前に突っ込むため、今年はテーマに「呼び込んで打つ」を掲げた。試合前の打撃練習は内外角の球を引きつけて、鋭い回転運動で打球を飛ばす。身長1メートル84、体重78キロと細身の坂本は「引きつけることでパワーが伝わり、強い打球が打てる」と説明。スイングのベースとなる下半身をいじめるウエートトレは欠かさない。この日の2発はともに内寄りの球をコマのような回転で快打。理想のスイングに近づいている証拠だ。
 苦しい中で飛び出した若武者の値千金の一打に原監督も「チームの中でも存在感が大きい。去年の体験が予習、復習を含めて打撃への姿勢に出ている」と称賛した。
 開幕から打順は6~8番だが、このまま結果を残せば“昇格”の可能性も出てくる。「優勝できるよう頑張りたいです」と坂本。夕暮れに染まった20歳の横顔に、もうあどけなさはない。

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2009年5月3日のニュース