劇勝復帰!城島 好リードでサヨナラ呼んだ

[ 2009年5月3日 06:00 ]

アスレチックス戦の4回、マウンドでワカマツ監督(右)と話す城島健司

 【マリナーズ8―7アスレチックス】右太腿裏の肉離れで故障者リスト(DL)入りしていたマリナーズ・城島健司捕手(32)が1日(日本時間2日)、アスレチックス戦に「7番・捕手」で16日ぶりに戦列復帰。第3打席で中前打を放ち、終盤の好リードで9回サヨナラ勝ちを“アシスト”した。胃潰瘍(かいよう)のため出遅れたイチローと一緒にプレーするのは今季2試合目。不動の1番に加え、正捕手も定位置に戻ったマ軍が、首位固めへ加速する。

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 勝負どころでの観察眼にブランクはなかった。7―7の9回2死無走者。城島はマスク越しに打席のホリデーをじっと見つめた。昨オフにナ・リーグのロッキーズから加入した4番に、7回には同点弾を被弾。生きたデータの少なさを補うべく、これまで培った洞察力をフル回転させた。
 前の打席で左翼席に運ばれたスライダーを、この打席でもあえて初球から3球続けた。2、3球目の外のスライダーを連続して空振り。「スライダーに完全に(ヤマを)張っていた。一発は痛かったけど、次は間違いないと思った」。打った直後の打席は別の球種にヤマを張る打者も多いが、同じ球を狙うタイプと判別。その裏をかき、決め球に外角直球を選択して見逃し三振。その直後の攻撃で、チームは2死満塁からロペスの右前打でサヨナラ勝ちを収めた。
 試合後は疲労感が漂った。先発シルバが3回に一挙6失点。さらに同点の8回1死一、二塁では球審の判定にいらつく新人右腕のケリーをなだめすかし、何とかピンチを脱した。「いい勝ち方ではなかった。前半で試合が決まってしまうような大量点をやったらいかん」と話したが、サヨナラ勝利には「自分が帰ってきて負けたら嫌だから、きょうはズルしてでもどうしても勝ちたいと思った」と安どの表情を浮かべた。打っても5回に復帰初安打となる中前打。次打者グティエレスの逆転2ランを呼び込んだ。ワカマツ監督も「(控えの)ジョンソンがいい仕事をしていたが、ウチの正捕手は城島」とあらためて信頼を口にした。
 イチローが日米通算3085安打を満塁弾で飾った記念すべき日に、右太腿裏を肉離れして自身初のDL入り。それでも、15日間きっかりで復帰にこぎつけた。「試合に出ればどこか痛いなんて言えない。僕がマスクをかぶれば誰かかぶれない人がいるんだから」。まだ完調とはいかないが、決して弱みは見せない。

 ≪3戦連続安打でイチロー20本目!≫イチローは初回に3試合連続安打となる一塁内野安打を放った。左腕エイブランドの外角低めのスライダーをバットの先に当てて打球は一、二塁間へ。快足を飛ばして投手のベースカバーをすり抜けた。その後、犠飛で先制のホームを踏んだ。結局、この1安打に終わったものの、今季20安打目。試合後は会見を行わず球場を後にしたが、9年連続200安打まであと180本だ。

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2009年5月3日のニュース