イチロー さあ出陣!イッキ張本超えだ

[ 2009年4月16日 06:00 ]

<マリナーズ・エンジェルス>延長10回、サヨナラ勝ちにグランドに飛び出すイチロー

 ラップで出陣だ!胃潰瘍(かいよう)のため故障者リスト(DL)入りしていたマリナーズ・イチロー外野手(35)が15日(日本時間16日)、本拠地でのエンゼルス戦に1番・右翼で先発出場。今季の“開幕”を迎える。打席に入る際のテーマ曲も、全米No・1人気ラッパーのフロー・ライダー(29)の曲に決定。ラップのリズムに乗って、球界のヒットメーカーが張本勲氏(68=スポニチ本紙評論家)の持つ3085安打の日本記録も一気に更新する。

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 体がYO、早くもYO、自然とリズムを刻んでいるかのYOだった。延長10回、エンゼルスにサヨナラ勝ち。2年ぶりの5連勝を決めた瞬間、イチローはバットを手にグラウンドに飛び出した。
 「(前オリックスの)清原さんみたいになってもうた。PLの時のね。あそこでバット離すわけにいかないし。持ってた方が安全かなって。バットの身を案じました」
 ホーム開幕戦でベンチ入りしたイチローはバットを手に試合を観戦。1985年夏の甲子園決勝の宇部商戦で、PL学園の松山(現オリックスコーチ)がサヨナラ打を放った際、次打者席からバットを手に万歳しながら突進した清原を引き合いに出して喜んだ。「じっとしてらんないもんね。そりゃいたいですけどね、あそこ(グラウンド)に。でもアリゾナにいるよりはいいでしょ」。気温が0度近い寒さの中“臨戦態勢”を整えた。
 その本拠地での試合で今季のイチローは「ラップ」のリズムに乗って出撃する。打席に入る際のテーマ曲は、1打席目が日本でも人気のあるフロー・ライダーの「In the Ayer」。2打席目が米ラッパーPitbullの「Krazy」。3打席目には再びフロー・ライダー「Jump」を使用する。フロー・ライダーは全米No・1のヒットメーカーで、イチローも大好きなラッパー。安打を量産し続ける球界のヒットメーカーにはピッタリの選曲だ。
 通算3000安打、8年連続200安打…。数多くの記録超えがかかっていた昨年は、演歌歌手・石川さゆりの「天城越え」を使用した。そのほとんどの記録を超えたからこそ、今季は自身の大好きなラップでノリノリの1年を目指す。WBCではスランプを乗り越え、韓国との決勝戦でV打。と思えば胃潰瘍でDL入りし8試合の出遅れ…。そしてようやく自身の“開幕”を迎える。
 「僕にとっては最初なんで。(チームに)遅れないように。でもチームはいい空気だし、すごく気持ちも入っていきやすいかなと思う」
 多くの記録を積み上げた昨年、超えることができなかったのが張本氏の3085安打だった。残り2安打。ラップのリズムに乗って、復帰初戦でいきなり更新を。それこそがファンを驚かせ続ける、イチローらしい幕開けだ。

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2009年4月16日のニュース