よっしゃあ~!イチロー屋外フリー打撃再開

[ 2009年4月7日 06:00 ]

打撃練習中に汗をぬぐうマリナーズのイチロー

 胃潰瘍(かいよう)のため15日間の故障者リスト(DL)入りしたマリナーズ・イチロー外野手(35)が5日(日本時間6日)、練習再開後初めてとなるユニホーム姿で6日ぶりとなる屋外でのフリー打撃を敢行した。イチローは早ければ7日(同8日)にもマイナーリーグ戦への出場を見込んでおり、10日に予定されるチーム合流を先送りして実戦出場を積み重ねる意向を示した。

 大声がグラウンドにこだました。「行ったろ、これ、よっしゃあ~!」。ラストの50スイング目。低い打球が右翼フェンスを越えると、イチローは子供のように喜んだ。柵越えは計3本。使い古されたマイナー用の粗悪なボールで、安打性の打球は31本を数えた。「気持ちいい。健康になったら楽しいね。(病気になって)初めて分かるって、よく言うじゃん」。青空の下での6日ぶりのフリー打撃。思わず漏らした言葉はまさに本音だった。
 「外で打つし、何かリハビリっぽい感じが嫌だった。病人っぽいから嫌だなって」。戦線離脱後、初めてユニホームを着て練習を行った。自身の回復度合いに確信を抱いたからこその“戦闘服”姿。球団からは練習メニューなどを大幅に制限されているが「きのうからきょうはもう、全然(状態が)違いますね。あとは僕のフィーリング。この先はだから、普通にやりたいなと思います。制限は、僕の中には必要ないです」と断言した。
 その思いは、チームへの合流時期に関しても同様だ。ワカマツ監督ら球団側は、オークランド遠征中の10日の合流を希望。しかしイチローは「合流するメリットは“わし、ここにおるで”ということをアピールするぐらい。ここ(アリゾナ)でゲームに出たい、出る方が、という選択も考えてます。実質的なことを考えると、やっぱここでっていうのが現実的だなと思いますけどね」。早ければ7日にもマイナー戦に出場するが、1打席でも多く立つことで実戦感覚を取り戻す。逆にチームに合流すれば実戦はおろか、練習時間も限られる。プロフェッショナルとしての仕事の“流儀”。最終的には球団側と話し合ってスケジュールは決まるが、そこには天才打者としてのこだわりがあった。
 チームは6日に開幕を迎える。ベンチには背番号51のユニホームが置かれる予定だが、イチローは遠くアリゾナで復帰へ向けて感覚を磨き続ける。

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2009年4月7日のニュース