斎藤の陰から脱却!須田 デビュー戦勝利

[ 2009年3月12日 06:00 ]

<住友金属鹿島・JFE東日本>7回途中から救援し勝利投手となった早大から加入した新人の須田

 新人旋風で社会人野球の第64回東京スポニチ大会が開幕した。11日は2会場で1回戦6試合が行われ、千葉マリンの第1試合では、早大時代にエース番号の11をつけていたJFE東日本・須田幸太投手(22)が3番手で登板。2回1/3を無失点に抑え、明治安田生命のルーキー・古田康浩投手(22)とともに勝利投手となった。また、今季限りでの休部が決まっている日産自動車は三菱自動車岡崎に競り負け、初戦で姿を消した。

【日程と結果


 最高の社会人デビューを飾った。JFE東日本が延長戦の末に5―4の逆転勝ち。3番手で登板し、思わぬ形で白星が転がり込んできた須田は笑いが止まらなかった。
 「拾いものですけどね。ヒットも打たれたし。でもチームが勝って本当に良かった」
 嫌な流れを断ち切った。1―4の7回2死二塁から登板すると、松本を一ゴロに仕留めピンチ脱出。9回には低めにボールを集め、3人とも遊ゴロに片づけるなど2回1/3を1安打無失点。「スイングや集中力が学生とは格段に違う」という社会人相手に、気迫を前面に押し出す投球で味方の援護を引き出した。
 早大では3年から「11」を背負いながら、後輩の斎藤にエースの座を譲ったまま、リーグ戦通算8勝に終わった。しかし、JFE東日本では一転して勝ち運に恵まれそうな気配を漂わせている。2月22日の四国銀行とのオープン戦では、それまで1点しか奪えなかった打線が7回の須田の登板直後に一挙8点を挙げ逆転した。そしてこの日の逆転劇。蔵元監督は「彼が投げると不思議と逆転する。ツキを持っているような気がする」と真顔で話した。
 4月4日には社会人・東京六大学対抗で早大と対戦。「大学のときは自信をなくしたこともあった」と振り返るが、今は違う。社会人の質の高い練習で鍛えていけば、4月には学生時代とは違う姿を後輩たちに見せられるという確信がある。

 ◆須田 幸太(すだ・こうた)1986年(昭61)7月31日、茨城県生まれの22歳。土浦湖北では3年春にエースでセンバツ出場も初戦敗退。夏は茨城大会3回戦敗退。早大では1年春からベンチ入りし、3年からエース番号「11」を背負った。六大学通算30試合に登板し8勝3敗。家族は両親と兄。1メートル74、70キロ。右投げ右打ち。
 <住友金属鹿島 悔やまれる失策>打線が4回までに3点を奪いながら、2番手以降の投手陣が踏ん張りきれず、延長戦の末に逆転負け。1回戦で姿を消した。平野監督は「勝てる試合だった。序盤は足を絡めた攻撃で流れをつかんだが、守備が乱れてしまった」と内野陣に2つの失策が出た8回の守りを悔やんでいた。

続きを表示

2009年3月12日のニュース