ラミレス狙い打ちサヨナラ弾!レオにタイ勝

[ 2008年11月3日 06:00 ]

<巨・西>9回、サヨナラ弾を放ったラミレスはナインの手荒い祝福を受ける

 【巨人3―2西武】これが4番のお仕事だ――。西武が先勝して迎えた日本シリーズ第2戦は2日、延長突入寸前の9回1死からアレックス・ラミレス外野手(34)が劇的なサヨナラ弾。味方打線がシリーズ新となる4死球を受けた怒りをバットにぶつけて、対戦成績を1勝1敗と五分に戻した。サヨナラ試合はシリーズ史上32度目で、サヨナラ本塁打は03年の阪神・金本以来13本目。第3戦は4日、西武ドームに決戦の場を移して行われる。

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 一塁ベンチへ、内野席へ、外野席へ。ラミレスは右手を何度も突き上げた。ホームベース付近には歓喜の瞬間を待ち切れないナインの輪。ヘルメットを投げ捨ててその中に飛び込んだヒーローは、手荒い祝福を受けると原監督、伊原ヘッドコーチらと抱擁。最強助っ人が、これぞ4番の大仕事を果たした。
 大歓声を浴びたお立ち台では「最高の一言。神に感謝したい。あの打席は一発を狙って、最高のスイングができた」と興奮気味。「シンジラレナ~イ!」と日本ハムのヒルマン前監督の“持ちネタ”まで拝借して、場内の笑いを誘った。
 汚名返上の一撃だった。前日の初戦は先制打を放ちながら、その後は2併殺など敗戦の要因となった。この試合も7回までの4打席はすべて走者を置いて打席に入りながら凡退していた。その7回は小笠原が左手に死球を受けた直後で、期するものはあったが三ゴロ。ベンチに戻ると篠塚打撃コーチから「力まず右方向を心掛けろ」とアドバイスされた。気持ちを切り替えた9回1死。「4打席がダメでも一振りで仕留められる」と自らに言い聞かせると、カウント0―1から甘く入った125キロスライダーを狙い澄まして中堅左にぶち込んだ。
 シーズンでは自己最多の125打点を稼ぐなどMVP候補。CSも打率・438、2本塁打、5打点でMVPに輝いた。チームの快進撃が追い風となって、来年3月に行われるWBCの日本代表監督に原監督が就任した。ラミレス自身も、母国・ベネズエラの野球連盟から内々に代表入りのオファーが届いている。結論を出すのは先だが、関係者には「(WBCを辞退して)来年2月に(キャンプ地の)宮崎にいたい気持ちがある」と心境を吐露。主砲はチーム愛にあふれている。
 対戦成績を五分に戻す4番の劇砲に原監督は「チームにとって、本人にとっても大きい一発」と称賛した一方で、小笠原が負傷交代するなどシリーズ新記録の計4死球を受けたことには「渡辺監督の教えではないだろうが、4つの死球はいい印象を与えない」と表情を曇らせた。
 4日からは敵地・西武ドームに乗り込む。これで1勝1敗。たった一振りで調子を戻した4番を先頭に、一気に6年ぶり日本一に向けてばく進する。

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2008年11月3日のニュース