降雨コールド…コミッショナーが“阻止!”

[ 2008年10月29日 06:00 ]

6回、雨が強くなり試合中断。グラウンドにロールシートを敷く係員

 【レイズ―フィリーズ】フィラデルフィアでのワールドシリーズ第5戦は27日(日本時間28日)、雨のため6回表終了、2―2でシリーズ史上初のサスペンデッドゲームとなった。バド・セリグ・コミッショナー(74)の裁定で決まった。6回に2死から雨を利して同点としたレイズには追い風が吹いた格好。4試合ぶりの安打を放った岩村明憲内野手(29)も歓迎した。世界一へ王手をかけていたフィリーズには無念の水入りとなった。天候が回復すれば28日午後8時29分(同29日午前9時29分)に6回裏から再開する。

【試合経過


 内野のいたるところに水が浮き、視界は雨で遮られていた。午後10時40分に中断。30分後に104回を数えるワールドシリーズで初のサスペンデッドゲームが宣告された。気温5度の寒さの中、いてつくような雨を浴び続けたレイズナインだったが、クラブハウスは沸き上がっていた。
 「オレたちに風は吹いてきていると思う。寒さよりも雨の影響が本当にあった。再開時に、もっといい環境でやりたいのが本音です」。3回に4試合15打席ぶりの中前打を放った岩村は“追い風”を強調した。
 セリグ・コミッショナーの固い決意がレイズに有利に働いた。悪天候が予想されていたため、試合前に同コミッショナーは両軍の監督、GMらを集め、プレーができない状況となってもコールドゲームにはしない旨を通達していた。1点ビハインドの5回から雨が激しくなり、いつ試合が中断してもおかしくない状態だったが、6回表も強行。守備側に不利な状況下で同点となり、ようやくサスペンデッドゲームの裁定が下った。同コミッショナーは「コールドゲームはない。それは私が許さない。そのような方法はワールドシリーズの幕切れにふさわしくない」と説明した。
 実際に6回2死からのアップトンの遊撃内野安打は水たまりで打球が失速した。直後の二盗も捕手の送球が雨で滑って浮いた。この好機に第4戦まで無安打だったペーニャが同点の左前打。同じく不振だったもう1人の主軸ロンゴリアも4回に中前適時打を放った。前日まで4試合で29打数無安打だった3、4番コンビ。この日は4、5番と打順が下がって輝きを取り戻した。ペーニャは「あそこで得点できなければ負けていたかもしれない。今年の幸運な物語はまだ続いているよ」と興奮を隠せなかった。
 「コールド負けなど頭になかった。ただ同点にすることを考えていた」とマドン監督。6回裏から再開される試合を勝って、本拠地に戻ってみせる。

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2008年10月29日のニュース