感謝の胴上げ 岡田監督涙…本望ラスト采配

[ 2008年10月21日 06:00 ]

<神・中>今季限りでユニホームを脱ぐ岡田監督は胴上げされながら号泣

 セ・リーグのクライマックスシリーズ第1ステージ第3戦は20日、阪神の藤川球児投手(28)が両軍無得点で迎えた9回、中日・ウッズに決勝2ランを浴び、1勝2敗で敗退が決まった。5年間の総決算として臨んだ岡田彰布監督(50)は試合後、ナインによって5度宙に舞い、涙に暮れた。また昨季に続いて日本一を目指す中日は22日に開幕するCS第2Sで巨人と激突。リーグV2を果たした巨人には1勝のアドバンテージが与えられ、6回戦制で行われる。

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 スタンドの温かい“岡田コール”はベンチ裏まで響いてきた。会見後。グラウンドに戻った岡田監督は泣いていた。悔しさと寂しさ、そして感謝の思い。さまざまな感情が一気に襲ってきた。
 「できる限り、試合を積み重ねていきたかったが…。しようがない。(5年間は)短くなかったな。いつの間にか、たっていたという感じ」
 5年間、信じてマウンドに送り続けた藤川が決勝弾を喫して終戦。今季限りでチームを去る指揮官はクシャクシャの顔のままナインの手で5度、宙に舞った。号泣する選手一人一人の手を取り「まだまだ強くなれるからな」と声を掛ける。必死にこらえようとしたが、涙は止まらなかった。
 息詰まる投手戦。8回1安打の岩田に代打を送り、9回のマウンドを藤川に託した。しかし先頭の代打・立浪に中前打。そして2死三塁からウッズに150キロ直球を左中間席へ運ばれた。「最後は2人の勝負。(藤川を)送り出した以上は何も言うことはない」。全幅の信頼を寄せる守護神の投入に悔いはない。攻撃陣は好機に1本が出ない得点力不足に最後まで泣かされたが「悔い?ないよ」と振り返った。
 7月初旬には巨人に最大13ゲーム差をつけながら歴史的逆転Vを許し、CSも昨年に続いて第1S敗退。それでも若手を育てながら5年間でリーグ優勝1度に4度のAクラス入りと確かな功績を残した。「優勝争いをして勝てなかったけど、優勝争いできるチームにはなれた。ある程度、目指していたチームになりつつある」。来季の日本一奪回に期待を込め、岡田監督は静かに縦じまのユニホームを脱いだ。

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2008年10月21日のニュース