レイズ マドン監督「意味ある第一歩」

[ 2008年10月21日 06:00 ]

 【レイズ3―1レッドソックス】常識って何?それは本当にセオリーなのか?大リーグのレイズを初めてワールドシリーズに導いたジョー・マドン監督(54)の個性と知性はちょっと風変わりだ。選手としての実績は皆無だが、指揮官としては就任3年目でリーグ制覇を達成。優勝への道は固定観念を打破するところから始まっていた。

 シャンパンを浴びたマドン監督が抑えていた感情を解き放っていた。「チームにとって意味のある第一歩になった」。よほどうれしかったのだろう。優勝トロフィーを手にするまで岩村を含む全選手を抱きしめて、それぞれに感謝の言葉を投げかけた。
 エンゼルス傘下のマイナーで4年間プレー。メジャー経験はない。ベンチコーチ時代だった02年にワールドシリーズ制覇に貢献。06年に当時のデビルレイズの監督になったが、レッドソックスからも白羽の矢が立っていた。なぜならこれまでの監督とはタイプが違っていたからだ。
 ワイン鑑定士としても有名だが、遠征先に自転車を分解して持っていくほどのチャリ・マニア。「机の前では出てこないアイデアが浮かんでくるんだ。一種のセラピー(治療)かな」。愛車はツール・ド・フランスで7連覇を達成したランス・アームストロング(米国)と同じトレック社の最高級クロス・バイク。「他人と違っているとは思わない」と言うものの、iPodでロックを聴きながら町を走る姿はやはり普通の監督ではない。
 最終戦の前にも海沿いをサイクリング。「子供のころ空き地で野球をしているときには、いつも第7戦のような感じだった。勝つと負けるとでは大違い。海を見ながら昔を思い出したよ」。54年の人生。緊張を思い出で解きほぐし、頭脳に刺激を与えて決戦に臨んでいた。

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2008年10月21日のニュース