石井琢に“引退勧告”!横浜改革第1弾 

[ 2008年10月3日 06:00 ]

<横・中>2日もスタメンを外れ、寂しそうにベンチに座る石井琢。右は大矢監督

 横浜が石井琢朗内野手(38)に“引退勧告”することが2日、分かった。最下位からの巻き返しを狙う来季の構想からは外れており、近日中にも行われる球団首脳との会談で本人に通告する。

 球団幹部によれば「古傷の左ひざの状態もあるし、今はあまり走れない。チームを立て直すためにも走れる選手が必要」と機動力の衰えをネックとした。不動の1番としてチームを引っ張ってきた石井琢だが、今季は5月下旬から下位を打つことが多くなり、8月に入ると石川、藤田ら若手の台頭で出番が激減。ベンチを温める機会が増えていた。93年から14年連続2ケタ盗塁も昨年は6盗塁と記録が途切れ、今季は1盗塁。プロ20年目の節目のシーズンで決断を迫られた石井琢は「ある程度気持ちは固まっている。まだまだできると思っているし、一番良い選択をしたい」と話しており、今後は他球団で現役続行の道を探る。最悪の場合はこのまま現役引退の可能性もあるが、球団では横浜を長年支えた功労者としてコーチのポストを用意することも検討している。
 今季チームは一度も浮上のきっかけをつかめないまま断然の最下位。“ミスターベイスターズ”への非情な戦力外通告は来季の巻き返しへの改革第1弾。球団は工藤、佐伯、鈴木尚らベテランにも減額限度額を超える年俸を提示する見込みで、今オフはFA、トレードなどで出血覚悟の大型補強も行う。横浜開港150周年となる来季に向け、まだまだ改革の嵐は吹き荒れそうだ。

 ◆石井 琢朗(いしい・たくろう)1970年(昭45)8月25日、栃木県生まれの38歳。本名は石井忠徳。88年ドラフト外で投手として入団。89年にプロ初勝利を挙げたが92年に野手転向を機に琢朗に改名。不動の1番として98年に38年ぶりのリーグV、日本一に貢献した。盗塁王を4度獲得。06年には2000本安打を達成し、同年に球団記録の2081安打を塗り替えた。1メートル74、78キロ。右投げ左打ち。血液型B。

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2008年10月3日のニュース