駆け付けたイチロー 雄姿見つめ心から拍手

[ 2008年10月2日 06:00 ]

<オ・ソ>VIP席で清原に拍手を送るイチロー

 【オリックス4―1ソフトバンク】言葉は必要ない。イチローは静かに球場を後にした。この日の主役は清原。黒のスーツという正装で観戦したのも清原への最大限の誠意だった。

 すべてを心に焼き付けた。4回、大型スクリーンに自らの姿が映し出されると、清原はバットを立てる“イチローポーズ”で応えてくれた。6回の右中間適時二塁打の時には自分のことのように笑みを浮かべ、手を叩いた。引退セレモニー。イチローの視線は清原から動かなかった。
 午後6時の試合開始直前も目立たぬよう京セラドーム入りし、球団が用意したVIP席から見守った。記録と戦い続けた08年シーズンは28日(日本時間29日)に終了したばかり。全162試合に出場して疲れは残っている。でも、足は自然と日本へ向いた。
 故仰木彬元オリックス監督が引き合わせてくれた。06年1月20日、同氏の「お別れの会」前夜に会食した。清原の仰木さんを思う気持ち、野球への真摯(し)な姿勢に心打たれた。「清原さんの言葉にウソはない。心からの言葉を持っている」。清原の誘いを受け、その年の2月にはオリックス宮古島キャンプに飛び入り参加した。一方で3月のWBC決勝(キューバ戦)前夜にイチローは清原に電話をかけた。留守電だったが、イチローには清原の真っすぐな力が必要だった。清原が引退を決めた時「ひざの状態のことは聞いていた。1軍に戻るときはそういう覚悟でという雰囲気はあった。打席に立つ姿を楽しみにしている」と語った。この時点で最後を見届けようと心に決めていたのかもしれない。
 「イチローもシーズンを終えてすぐ来てくれました」。引退セレモニーで清原は名前を出し感謝した。それ以上、言葉をつなぐ必要はない。2人は心でつながっている。

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