辞意伝えられナイン絶句…松中ショックで涙

[ 2008年9月24日 06:00 ]

<ソ・日>神妙な表情で王監督(右)の横を通る松中(左は秋山コーチ)

 【ソフトバンク2―5日本ハム】衝撃、動揺…。王監督の口から直接聞いた退任の意向。ミーティングを終え、グラウンドに出てきた松中の目は真っ赤だった。「ショックです。きょう初めて聞いた」。全ナインが同じ思いだった。正午前。1軍選手だけでなく負傷で2軍調整中だった小久保、川崎、斉藤もヤフードームに緊急招集された。川崎は福岡市の雁の巣球場から西戸崎室内練習場に場所を移したばかりだったが、約15分で同球場を慌ただしく出発。それほどまで予期せぬ出来事だった。

 ミーティングにはコーチ、選手だけでなく、打撃投手や通訳ら全スタッフも参加。冒頭、ユニホーム姿の王監督は脱帽して今季限りで退任する意向を明かした。「みんなビックリして静かだった」(篠原)。誰もが声を失ったという。私服姿で参加した川崎は「ファンの方たちへの接し方など、グラウンド外でもたくさん学ばせていただいた。残念としか言いようがない」。小久保は球団特別室から試合観戦。残り少ない王監督のユニホーム姿を目に焼き付けた。
 松中は97年の入団時から、同じ左の大砲として世界の本塁打王の極意を授かってきた。“師弟関係”は04年に3冠王として結実。「僕のこの成績を手伝ってくれたのは、周りの支えもあったけど、王監督が一番。3冠王を獲れたのもそう」。指揮官への思い入れは人一倍強く、胃がんを告白して指揮した06年7月5日の西武戦(ヤフードーム)では、涙を流しながら打席でバットを振った。この日の日本ハム戦は3打数無安打。やはりショックは隠せなかった。
 「ビックリした。泣きそうだった。勝ちたかったんだけど…」と杉内は肩を落とした。だが、先発した試合では王監督に白星をプレゼントするはずが8回9安打5失点。チームは5連敗で97年以来のシーズン負け越しが決定してしまった。最下位・楽天には0・5差に迫られた。ユニホームを脱ぐ王監督のためにも、これ以上ふがいない結果は残せない。

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2008年9月24日のニュース