1発ラミちゃん“宿舎で聞いた”11連勝

[ 2008年9月23日 06:00 ]

1回、41号2ランを放ったラミちゃん。出ました!お得意ポーズ

 【巨人9―1広島】OR砲がONに並んだ。巨人は22日、アレックス・ラミレス外野手(33)と小笠原道大内野手(34)が球団タイ記録となる今季14度目のアベック弾を放ち、広島に快勝。89年以来、19年ぶりの11連勝をマークし、クライマックスシリーズ進出を決めた。阪神も勝ったために同率首位は変わらないが、過去11連勝以上した13シーズンはすべて優勝。V率100%となったミラクル進撃を最強3、4番コンビが引っ張る。

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 試合終了の瞬間、ラミレスは球場近くの宿舎にいた。序盤から打線爆発の大勝に、7回途中で代走を告げた助っ人に原監督は「ラミちゃん、もう帰っていいよ」と早退を許可した。小笠原との14度目のアベック弾は68年の王、長嶋に並ぶ球団タイ記録。しかも無傷の14連勝だ。もう、この勢いは止められない。89年以来19年ぶりの11連勝。最大13差から急浮上しての首位タイをキープした。
 前カードで虎に3連勝した勢いを、そのままぶつけた。まずは初回2死二塁でラミレスが右翼ポール際に自身最多、リーグトップタイの41号2ラン。3回は球場入りする際に少年から「ホームランを打って」と声を掛けられた小笠原が32号2ランを右中間席に運んだ。終わってみれば12安打9得点の大勝。原監督も「早いイニングで主導権を取れた。2本の2ランが大きかった」と評価した。
 ONと肩を並べたラミレスは球団広報を通じて「小笠原という打者と達成できたことを誇りに思う」とコメント。7回の打席で右ひざに死球を受け、大事を取って交代した小笠原も「偉大な大先輩に並べて光栄です」と素直に喜びを表現した。
 9月12日、ラミレスの手元に用具メーカーから一塁用ミットが届いた。発注の理由は“将来設計”。数年後、仮に体力的な衰えで外野を守れなくなっても出場機会を減らさないためだ。目標は「40歳まで現役」。今月上旬から一塁の練習も行っている。ただ、そのミットには若干の違和感があり、一塁の経験豊富な小笠原に「次に買うときはカタログを見て決めてほしい」と希望。小笠原も快諾した。今季は遠征先で頻繁に食事をともにしている両者。3、4番コンビとしては1年目だが、ONのように結束を深めつつある。
 チームが11連勝すればV確率は100%。それでも原監督は「何回も言うが、後ろではなく前を見据える」と浮かれる様子はない。かつてONは「記録の王」、「記憶の長嶋」と称された。“OR砲”は、記録にも記憶にも残るミラクルVを達成するまで打ち続ける。

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2008年9月23日のニュース