「サイコーっす!」スンヨプ口火安打&トドメ弾

[ 2008年9月22日 06:00 ]

<巨・神>5回2死一、三塁 李は右越え3ランを放ち天を指差す

 【巨人9-5阪神】思いのすべてを流ちょうな日本語で絶叫した。「サイコーっす!絶対に優勝しまーす!!」。鈴木尚とともに上がったお立ち台。オレンジ色に染まる右翼席から大歓声を浴び、李スンヨプは最高の笑顔をふりまいた。

 鮮やかな逆転劇の口火を切った。5回、先頭で岩田の外角スライダーを左中間にはじき返す二塁打。4回の攻撃前、ベンチ前の円陣で篠塚打撃コーチが「詰まってもいいからセンター方向へ」と指示した通りの一打だった。

 これで打線にスイッチが入った。鈴木尚の逆転二塁打で岩田をKO。さらに2死満塁からラミレスが中前へ2点打。そして締めは再び李スンヨプ。2死一、三塁で回ってきた、この回の2度目の打席で右翼2階席の上の壁にぶち当てる超特大の135メートル3ラン。「打球は見えたけど、あそこまで飛んだのはファンの応援のおかげ」と感謝した。

 開幕から14試合で中軸を務めたが、絶不調で4月14日に出場選手登録を抹消された。以降3カ月以上の2軍暮らしを支えてくれたのは表舞台にはい上がろうとする若手だった。降格当初は精神的にもふさぎ込んでいたが、円谷、会田らが親しみを込めて韓国語で「兄貴」を意味する「ヒョン」と呼んでくれた。徐々に明るさを取り戻し、逆にドミニカ共和国出身で頭部に円形脱毛ができるほど落ち込んでいたオビスポを、なじみの韓国料理店へ連れていって励ました。

 北京五輪後、初先発となった8月28日の横浜戦前には円谷に電話で「これからスタメンです」と報告。即恩返しとはいかなかったが、後輩への感謝を忘れなかった。
 チームを10連勝へと導いた韓流砲。だが、満足などしていない。「このまま最後までチームに貢献したい」。残り試合、そしてCSでも打ちまくる。スンちゃんの恩返しはまだ始まったばかりだ。

 ≪ラミ セ外国人最多安打≫ラミレスがセ・リーグの外国人最多安打記録を更新する1338安打をマークした。2打席凡退で迎えた5回2死満塁、代わったばかりのアッチソンの直球に詰まりながらも中前2点打。今季、数々の記録を更新し続ける助っ人は、新たな金字塔に「ベリーハッピー。打席では自分らしくつなごうと思った。記録は神様に感謝したい」と話した。

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2008年9月22日のニュース