岩隈「自分でもすごい」8連勝で20勝

[ 2008年9月22日 18:03 ]

7回、山崎武の右前打で生還した山崎隆(24)を迎える楽天先発の岩隈(右から2人目)ら

 【楽6-1西】西武が地元での優勝を目前にして迎えた一戦。だが、主役は楽天の岩隈だった。7回を6安打1失点で「自分でもすごい数字」という20勝の大台に初めて到達。勢いに乗る獅子をねじ伏せた。

 「あそこが一番のヤマ場だった」と振り返ったのが、2点のリードをもらった直後の六回。連打で無死一、三塁とされたが、石井義をフルカウントから147キロの速球で空振り三振させ、二盗失敗が重なり併殺。続く中島を中飛に打ち取り、勝利を引き寄せた。

 今季の好調さを、「試合をつくりながらリズムがよくなる」と表現する。首位西武からは4戦3勝。両リーグ最多の190本塁打を誇る打線に、4試合計26回で一度も柵越えされていない。今季の西武戦で15回以上を投げて一発を浴びていないのは、この右腕だけだ。

 近年は故障に苦しんだ。一昨年と昨年でわずか計6勝。昨オフには右ひじの遊離軟骨を除去する手術を受けた。今でも毎晩、ひじに湿布をはって寝ているという。中5日での登板となったこの日、84球で降板したのは、ぎりぎりのところで戦っている証しでもある。

 「2年間チームに迷惑をかけた分を取り戻したかった」。20勝3敗、防御率1・84。これ以上ない好成績で、エースが復活した。

 ≪野村監督「胴上げ見たい」≫楽天は投打がかみ合って快勝した。西武の優勝は持ち越したが、23日の楽天戦でリーグ制覇が決まる可能性がある。野村監督は「胴上げを見たいね」という。自分たちの前で優勝を決めさせたくないと考えるのが一般的だが、野村監督は「胴上げを目の前で見たうちの選手が、どう思うか興味がある。悔しいと感じて来年頑張ろうと思うか。今の楽天にはそういうのも必要」と真意を説明した。

続きを表示

2008年9月22日のニュース