「CS行きましょう」マエケン初完封!

[ 2008年9月21日 06:00 ]

<広・中>5回1死一、ニ塁、代打・立浪を二塁ゴロ併殺打に打ち取りガッツポーズの前田健

 【広島10―0中日】超満員2万9632人のファンも「18」を背負う20歳に明るい未来を見たに違いない。CS進出を懸けた中日との“天王山”第2戦でプロ初完封勝利を飾った広島・前田健はお立ち台で絶叫した。「チョー気持ちいい、っす!」。水泳の北島康介の決めぜりふだ。そして「ファンの皆さん、大好きです。クライマックスシリーズに一緒に行きましょう」と続けた。

 中日戦は過去2試合に先発し防御率17・36。だが、あえて研究はしなかった。「自分の投球さえできれば」。3回までパーフェクト。5回1死一、二塁ではPL学園の大先輩・立浪と初対戦し「ゲッツーを取りたかった」と初球のカーブで二ゴロ併殺に仕留めた。終盤は「お立ち台で何を言おうかな」と考える余裕も。102球で被安打4、堂々の無四球完封だ。
 天性の柔軟性が、独特の球の切れを生み出す下地になっている。石井トレーナーは「肩甲骨の可動域は別格。どの関節にしても、見たことがないほど柔らかい」と話す。8月以降は5勝1敗で、目下17イニング連続無失点中。2年目ながら新人王争いにも本格参戦してきた。
 「この若さにして常にゲームをつくり続けている。驚くべきことだ」とブラウン監督も絶賛。中日との直接対決に連勝し2ゲーム差。貯金2は05年5月3日以来だ。「プレッシャーは最初の頃とは比べものにならない」と話すマエケンだが、その笑顔からは重圧は感じられない。CS進出を懸けた戦いが、スター候補をよりたくましく成長させる。

 ≪黒田がエール≫昨季までのエースで、今季からドジャースでプレーする黒田が古巣・広島にエールを送った。インターネットなどで広島の状況はチェックしており「これから、より大変になると思う。油断せずに戦ってほしい」。広島時代は優勝とは無縁だった黒田だが、自身も今季はド軍で地区優勝が目前。「しっかりとゲームをつくって貢献したい」と10勝目を目指して20日(日本時間21日)のジャイアンツ戦に先発する。

続きを表示

2008年9月21日のニュース