巨人 止まらん4発!9連勝でついに1差!

[ 2008年9月21日 06:00 ]

<巨・神>内海らナインを出迎える原監督

 【巨人9―1阪神】ついに猛虎をとらえる時が来た。巨人は20日、阪神との天王山第2Rに快勝し、92年6月以来、16年ぶりの9連勝をマーク。アレックス・ラミレス外野手(33)の40号先制3ランを含む4本塁打、初回から2イニング連続の“9人攻撃”で圧倒した。首位・阪神とのゲーム差は1に接近し、21日も勝てば同率で並ぶ。最大13差からの奇跡の逆転Vを目指す原巨人の勢いはもう誰も止められない。

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 いつものように原監督は笑顔で選手を出迎えた。ハイタッチの際、ナイン全員に「ご苦労さま」と声をかけるのも普段通り。それでも巨人ファンから伝わってくる熱気はいつもと少し違った。92年以来16年ぶりの9連勝。7月9日の時点で最大13差の苦境をはね返し、首位・阪神に1差と肉薄だ。21日に勝てばついに虎と並ぶ。指揮官は興奮を抑えるように語った。
 「効果的に早くから点を取って、主導権を握った戦いができた。チームがいい緊張感の中で1つになっている感じがある。残り14試合?まだ振り返るのは早い。われわれは前に進むしかない」
 奇跡の逆転Vへ向けた天王山の3連戦。前日は19歳・坂本の3打点の活躍などで先勝した。迎えた第2戦。初回にラミレス、李スンヨプの連弾などで主導権を握った。特に原監督が「凄く大きなプレーだった」と振り返ったのは直後の2回1死満塁の守備だ。平野の一、二塁間への痛烈なゴロに一塁・李スンヨプがダイビング。捕球はできなかったが、グラブに当てて二塁・木村拓がカバーした(記録は二ゴロ)。このプレーで勇気づけられた先発・内海は2回を最少失点で切り抜け、8回まで粘投。指揮官の評価を伝え聞いた李スンヨプは「守備は準備ができている。よかったと思う」とはにかんだ。
 開幕から主力の故障が相次ぎ、スタートダッシュに失敗した。前半戦最後の試合となった7月29日の広島戦(広島)。ミーティングで原監督は愛読書「天地人」を引用してチーム愛を説いた。戦国武将・上杉謙信を師と仰ぎ、「利」を求める戦国時代で民衆や郷土への「愛」を貫いた主人公・直江兼続の人物像を紹介。「私利私欲のためではなく、チームのために頑張ってくれ」と懇願するように語りかけた。当時は2位ながら首位・阪神と9・5差。指揮官の熱弁はナインの胸を打った。その試合に勝利して前半戦を終え、後半戦はこれで24勝11敗。驚異的なペースで白星を重ね、この位置まで上りつめた。
 16年前に10連勝を達成した時の相手も阪神だった。当時4番としてチームを引っ張っていた原監督は「勝ったということを活力にして明日(21日)も戦いたい」と言葉に力を込めた。もう逆転Vは夢物語ではない。本拠地に詰め掛けたファン、全国のG党が思い描いていた最高のシナリオが現実になろうとしている。

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2008年9月21日のニュース