ダル14勝!スレッジサヨナラ打に感謝

[ 2008年9月16日 06:00 ]

<日・オ>サヨナラ打を放ったスレッジ(下)はチームメートの手荒い祝福を受ける

 【日本ハム5―4オリックス】ダルも感謝、感激のサヨナラ劇だ。日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)が15日のオリックス戦(札幌ドーム)で9回4失点完投で今季14勝目を挙げた。3点リードの9回に4点を失い逆転を許したが、その裏にターメル・スレッジ外野手(31)が右中間へ来日初のサヨナラ打となる逆転二塁打を放った。2位オリックスとの直接対決に3連勝し1ゲーム差。2~4位が2ゲーム差以内にひしめく大混戦を演出した。

 ベンチを飛び出したダルビッシュは笑っていた。「9回に4点も取られてしまって、これで負けてしまったらどうしようもないと思っていた」。1点を追う9回2死二、三塁からスレッジが右中間二塁打を放ち逆転サヨナラ。ヒーローを追いかけてできた歓喜の輪に、頭1つ大きい体も一瞬で溶け込んだ。
 誰も予想できない9回の攻防だった。3月20日の開幕ロッテ戦以来のデーゲームで8回まで3安打。今季3度目の完封勝利は目前だった。しかし、先頭・森山を四球で歩かせた時点で疲労がピークに達した。1死一、三塁からカブレラ、ローズに連続適時打を浴び、日高には左中間へ逆転二塁打を運ばれた。3点リードは一瞬で1点ビハインドとなった。
 「調子は悪かった。三振は取れたけれど、球に切れがなかった。フラフラでもごまかせるかと思ったけど、最後につかまってしまった」。変化球を巧みに操ったが、自慢の直球は149キロ止まり。指にかかる感触は最後までなかった。
 それでも今季最多13三振を奪い、14勝目も手にした。どん底から救われたエースは「スレッジにはホンマに感謝です。メシを何回おごればいいのか分からない」と繰り返した。これにはスレッジもニンマリだ。「勝つときもチーム。負けるときもチーム」と最初は照れたが「でも、ダルビッシュがそう言ってくれるなら焼き肉をごちそうになろうかな」。最後はニヤリと笑って、生つばをのみ込んだ。
 「これでダルビッシュにもチームにも勝ちがついた」。梨田監督の声も弾んでいた。オリックス戦は9連敗後の3連勝。ゲーム差を1とし、2位も射程圏内とした。CSは地元ファンの前で戦いたい。もちろん、頼みの綱はダルビッシュだ。次回登板は22日のソフトバンク戦(ヤフドーム)。運も味方につけたスーパーエースに怖いものは何もない。

 ≪ヤ軍スカウト陣、ダルに熱視線≫バックネット裏ではヤンキースのスカウト陣がダルビッシュに熱視線を送った。9日の西武戦(西武ドーム)に続く視察で、特別アドバイザーのジーン・マイケル氏も日本を代表するエースの投球に興味深そうだった。紀田彰一日本駐在スカウトは「たまたまスケジュールがそうなっただけ」と話した。

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2008年9月16日のニュース