ヤクルト守護神、目標は1年目のセーブ記録

[ 2008年9月16日 07:05 ]

 右サイドから繰り出す速球は150キロを楽々と超える。今季、ヤクルトに加入した林昌勇投手。韓国からやってきた守護神は、念願だった日本プロ野球界でその剛腕ぶりを発揮している。

 2005年に右ひじを手術した。母国の韓国では日本での成功を危ぶむ声もあったが、今や押本、松岡、五十嵐と4人で強力な救援陣を形成し、チーム完投数が12球団で最も少ない先発陣をサポートしている。開幕から11試合連続無失点を記録するなど安定した投球を続け、9月4日には30セーブをマーク。絶対的なストッパーとして高田監督の信頼も厚い。
 韓国プロ野球ではヘテ(現KIA)、サムスンに在籍した。サムスンで同僚だった李スンヨプ(巨人)とは同い年だ。1998年と04年には抑え投手のタイトルを獲得し、2000年にはシドニー五輪の韓国代表として銅メダルを獲得した。
 ことしも北京五輪代表候補に名を連ねたが、チーム事情から辞退を余儀なくされた。北京五輪はテレビで観戦し、母国代表の金メダルに「徴兵されたら選手として3、4年は棒に振る。彼らは懸けているものが違うから」。国際大会の成績で兵役を免除された自身の姿と重ね、わがことのように喜んだ。
 日本では「遠征が多くて大変」と苦労もあるが「少しずつ日本語を覚えるのが楽しい。野球はどの国でやっても一緒」とマイペースを崩さない。
 日韓通算200セーブが目前だが、見据える数字はもっと先にある。「できれば来日1年目での最多セーブ記録を更新したい」。2000年にギャラード(当時中日)が挙げた35セーブを目指す。

 ◆林昌勇(イム・チャンヨン)韓国プロ野球のヘテ(現KIA)、サムスンを経て08年にヤクルト入り。韓国での通算成績は534試合登板、104勝66敗168セーブ。00年のシドニー五輪では韓国代表で銅メダル。180センチ、75キロ。右投げ右打ち。32歳。韓国出身。

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2008年9月16日のニュース