もう“神”がかり!今度は矢野でサヨナラ!

[ 2008年9月14日 06:00 ]

<神・広>10回、サヨナラ打を放った矢野(中央)はナインに抱きつかれながら両手を突き上げる

 【阪神1-0広島】今年度の流行語大賞に“サヨナラの虎”がノミネートされそうな勢いだ。今週の4勝すべてがサヨナラ勝ち。夏は終わったというのに甲子園のボルテージは上がりっぱなしだ。立役者の矢野はお立ち台で興奮を隠せず声を張り上げた。

 「やりました!あと3カ月(12月6日)で40歳、疲れました。何が何でも勝とうという気持ちだった」

 両軍無得点の延長10回、無死一塁で関本がバント失敗。嫌なムードが流れる中で矢野が梅津の真ん中高めの143キロ直球を強振。左翼フェンスを直撃した打球の処理を、広島・嶋がもたつく間に一塁走者・関本が一気に本塁を駆け抜けた。「結果論だけど、ミスを救えるのがいいチーム」と矢野。さらに「うれしいのは中継ぎが粘ってくれたこと」として、自らのことよりも今季11度目の劇勝へと導いた中継ぎ陣の踏ん張りを喜んだ。

 投げては先発の下柳も踏ん張った。4回の1死一、二塁は後続を変化球で左飛、捕邪飛に仕留めてピンチ脱出。7回無失点で先発の仕事を果たした。9回無死一塁の守備では嶋の左中間への飛球に金本がダイビングキャッチ。今季の快進撃を支える“アラフォートリオ”の活躍がチームの窮地を救った。

 これで優勝マジックは16。歓喜の瞬間へまた一歩前進したが、岡田監督は「5試合で4試合がサヨナラ?何とか点を取ればこんな展開にはならない」と手綱は緩めない。本調子でない打線の得点力不足は相変わらず。それでも、結束力でもぎとった1勝の意味は大きい。2位の巨人は気にすることはない。ただ目の前の試合を勝つだけ。その先にゴールテープが待っている。

 ≪最多勝狙う?球児7勝目≫阪神の藤川が、同点の延長10回から登板。今季49試合目の登板で1死から2安打を許したが、無失点で切り抜けてサヨナラを呼び込んだ。05年と並ぶ自己最多タイの今季7勝目が転がり込んできて「最多勝を狙おうかな」と上機嫌だ。2番手のアッチソンも2回を無失点とあって岡田監督も「苦しい場面ばっかりやったけど、よう抑えてくれた」と2人の力投を称えていた。

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2008年9月14日のニュース