阿部2発!巨人また4発で3連勝

[ 2008年9月14日 06:00 ]

<巨・ヤ>最後を締めたクルーンと阿部(右)は、笑顔でベンチに引き揚げる

 【巨人9-8ヤクルト】空中戦なら負けません。巨人・阿部慎之助捕手(29)が、13日のヤクルト戦で今季初の2本塁打をマーク。両軍合わせて7本塁打が飛び出す乱打戦で、2回に一時勝ち越しとなる16号ソロ、同点の8回は決勝の17号ソロを放った。チームは2試合連続の4本塁打で3連勝を飾り、貯金を今季最多タイの16とした。残りは20試合。ゲーム差は5のままだが、チームの主将は阪神追走をあきらめない。

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 汗だくになった阿部は、ポケットからタオルを取り出した。「タオル王子だよ」とおどけて“冷や汗”をふくと、会見場の椅子に腰を下ろした。両軍合わせて7本塁打の乱戦。1点リードの最終回は無死満塁のピンチを切り抜けて、ホッとした表情だった。

 「僕が一番ヒヤヒヤした。内容はどうあれ勝てたのは良かった。ドキドキしながらゲームができる。あきらめていないので優勝目指して頑張ります」

 2回の第1打席は1―0からの2球目、川島亮が続けた内角カーブを右翼席へ打ち上げた。同点の8回は2―3からの6球目、五十嵐の内角直球をライナーで右翼席まで運んだ。「1本目は自分でもびっくりした。2本目はフォークを頭に入れながら、四球でも何でもいいと思っていた」

 9月はこの試合まで9試合中6試合で無安打だった。「いろいろと考えすぎなんだよなあ」と自らに言い聞かせて臨んだ一戦。打席にはシンプルな考えを持って立っていた。1本目は一本足で豪快に、2本目はすり足気味でミートを重視した。カウントに応じたフォームで今季初のマルチアーチにつなげた。

 打率・253と調子の上がらなかった6月20日。全体練習前に原監督から東京ドームのブルペンに呼び出された。マンツーマン特訓は30分以上に及んだ。直接指導は珍しい光景だった。グラウンドに出てきた阿部は「監督からはバットの出し方とかを教えてもらった。あとは自分がどうするかだからね」と感謝した。この日も試合中に助言をもらった中で2本塁打の活躍。原監督の期待に応えたい。その思いが結果につながった。

 「しんどいのはみんな同じ」と北京五輪後も音を上げない。疲れがたまる夏場以降に備えて、今季は春先から足元のリフォームも行った。練習用スパイクの歯をアメフト選手が使用するポイント製に替えた。「イメージとちょっと違ったから」と試合では使用せずセラミックタイプの歯をメーカーに発注。疲れを残さない工夫も実っている。前日にはマスクを頭からすっぽりとかぶる“アイスホッケータイプ”に替え、心機一転を図った。

 3連勝を呼び込む働きに原監督は「貴重な2本?まさにそうですね。すべてが貴重」と満足げに語った。残りは20試合。「追われる方はドギマギしていると思うし追う方は必死。少しでも追いつめられたらいいな」。主将の顔になった阿部は言った。

 ≪クルーン球団新の33S≫巨人のクルーンが球団新記録となる33セーブ目。上原が昨年マークした球団記録(32セーブ)を更新した。1点リードの9回にマウンドに上がると、いきなり3四球で無死満塁。しかし「自分には切り抜けられる」と切り替えて一ゴロ、空振り三振、最後は宮本を遊ゴロに仕留めた。冷や冷やの記録更新に「記録は記録。ただ、それだけチームの勝ちに貢献できたということはうれしいね」と話した。

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2008年9月14日のニュース