海を渡る田沢…巨人・清武代表「不平等すぎる」

[ 2008年9月11日 17:07 ]

米大リーグ挑戦を表明後、報道陣に囲まれる新日本石油ENEOSの田沢純一投手(中央)

 150キロを超える直球が武器の社会人野球ナンバーワン右腕が、いきなり海を渡る。新日本石油ENEOSの田沢純一投手(22)が、米大リーグに挑むことになった。優勝した都市対抗野球大会ではチームの5試合すべてに登板する大車輪の働き。11日には記者会見を前に12球団に今秋のドラフト会議での指名を断る文書を通知した。1巡目指名が確実視されていた若武者のメジャー挑戦は、人材流出が続く日本球界に影響を与えそうだ。

 ▼巨人・清武英利球団代表の話 アマとの事前接触は日本のプロは手を縛られているが、大リーグは自由になっていて、不平等すぎる。法的には縛れなくても、お互いの信頼関係で40年以上、維持されてきた。信頼関係の中で解決したい。

 ▼ソフトバンク・王貞治監督の話 こっちでプレーしないとなると日本のファンにも見てもらえなくなる。選手の気持ちとしてはより高いところで、というのは分かるが、本当は日本で自分の力を把握してから行った方が本人のためにはいいと思う。

 ▼オリックス・中村勝広球団本部長の話 日本プロ野球界の根幹にかかわる問題。あれだけの逸材を、はいどうぞと差し出すわけにはいかない。しっかりとしたルールの明文化が必要だと思う。今後はNPBの対応を見守っていく。

 ▼西武・前田康介球団本部長の話 現状ではルールがないので、本人の意思は尊重される。せっかく日本で育った投手だから、日本でやってもらいたい。そのためにも、われわれが今できるのは、魅力的な球団をつくることしかない。

 ▼横浜・村上忠則チーム運営部門統括の話 田沢君をドラフト1巡目候補で検討していた。地元の選手だし、非常にいい選手として評価していたので残念。田沢君のケースを受け、ほかの有望な選手にもこのようなことがあり得るのか、スカウトに確認しないといけない。

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2008年9月11日のニュース