岩村が3タテ阻止 レイズ最高勝率守った

[ 2008年9月6日 06:00 ]

ヤンキースに勝利し、ハイタッチする岩村ら

 【レイズ7―5ヤンキース】レイズの岩村明憲内野手(29)が4日(日本時間5日)のヤンキース戦で2安打1打点2得点の活躍を見せ、チームの9月初勝利に貢献した。後半戦初の同一カード3連敗を阻止し、試合がなかった2位レッドソックスとのゲーム差は3・5に拡大。両リーグ最高勝率(・616)も守り、近代野球では初の前年最低勝率からの最高勝率Vへ夢が広がった。

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 2回に打者一巡で一挙5点。今季のレイズを象徴する集中攻撃に岩村もしっかり加わった。
 2点を先制し、なおも1死三塁で迎えた第2打席。内角カットボールを打ち抜くと打球は中前で弾む適時打。三塁に進み、アイバーの安打で4点目のホームを踏んだ。8回も先頭で左中間を破る三塁打で出塁し、アップトンの犠飛で生還。9回にリリーフ陣が5失点しただけに貴重な追加点となった。
 「勝たなきゃいけない試合を勝てて良かった。みんなの意地ですね。昨日のメッセージが伝わったな、と思いました」
 9月初白星を満足そうに振り返った。前日の第1打席では初球にセーフティーバントを仕掛けた。「何とかしたい気持ち」を込めたチーム全員へのメッセージだった。そして、この日は初回に岩村が倒れた後でアップトンがバント安打を狙った。結果は三ゴロだったが、岩村は「凄くうれしかった。その気持ちがあったから、みんなのタイムリーにつながった」と喜んだ。
 さらに“弟分”アップトンはみんなを盛り上げようと頭髪をモヒカン刈りにして現れた。「ああして笑わせるのも必要ですよ」と岩村。チームリーダーの思いが伝わり、同一カード3連敗を阻止。ヤ軍戦の連敗も4で止めた。
 優勝争い未経験の若手が多いチームにとっては大きな勝利。レッドソックスとのゲーム差を3・5に広げ、両リーグ最高勝率も守った。昨年は66勝96敗で両リーグ最低の勝率・407。前年の最低勝率球団が、最高勝率となれば1900年以降の近代野球では初の快挙だ。
 「みんなホッとしただろうし、もう一回手綱を締めて」。頼れる背番号1に導かれ、かつてのお荷物球団が歓喜へと突き進む。

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2008年9月6日のニュース