中日社長「WBC星野監督」を拒絶!!

[ 2008年8月31日 06:00 ]

中日・西川球団社長

 中日・西川順之助社長(75)が30日、来年3月に開催される第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での星野仙一氏(61)の監督就任に反対の意向を示した。北京五輪で日本代表を率い4位に終わった星野氏は、すでに日本プロ野球組織(NPB)側から非公式ながらWBC監督の打診を受けているが、五輪での惨敗や、公の場で議論がないことを疑問視。9月1日の実行委員会で強く提言することを明言した。

 北京五輪で星野ジャパンが惨敗を喫し、来年3月のWBCは日本野球の威信を取り戻す舞台となる。それだけに注目が集まる代表監督の人選。現在のところ星野氏が再び指揮を執ることが有力だが、その流れに古巣である中日が異論を唱えた。
 代表監督について話し合われる実行委員会を前に、西川社長が星野監督就任に否定的な見解を示したのだ。「野村監督(楽天)は川上(哲治)さんに次ぐ日本一制覇の記録を持っている(実際の2位は元西武・森監督)。王くん(06年WBC日本代表監督)にしてもホームランの世界記録を持っている。誰が見ても納得できる。星野を選ぶ明確な理由は何だ?」
 明言こそしなかったが北京で調子の上がらない岩瀬を連投させるなどした選手起用を疑問視しているのは間違いない。球団関係者によれば代表メンバーの中には「星野さんがWBCの監督なら参加したくない」という者もいるという。
 また「誰が監督に適任かを話す前に明確なルールづくりをすべきだ。恣意(しい)的に選ばれては困る」とも発言。五輪前にWBC監督就任の打診を受けた中日・落合監督が固辞した経緯もある。もっとも星野氏自身は態度を明らかにしていないが、25日に巨人・渡辺恒雄球団会長(82)が「星野くんのほかに誰かいるか?」と話すなど、なし崩し的に星野氏で一本化されつつあることにも不快感を示した。
 五輪の監督人事はプロアマ合同で構成する全日本野球会議の日本代表編成委員会で決めるが、大リーグ機構(MLB)主催のWBCについてはプロだけで決定する。前回の王監督は05年9月の実行委員会で有力候補に浮上し、国際・事業合同委員会を経て就任要請となった。球界関係者の中には「日本代表は12球団で話し合って決めるようなものではない。各球団や代表が会議の席で名前や意見を出し合うような種類のものではない」との意見もあるが、WBCはシーズン開幕直前の大切な時期に開催されるだけに、安心して選手を預けたいとの思いは強い。
 実行委員会で西川社長は(1)前年度の日本シリーズ優勝監督の就任(2)候補者数人の中から実行委員会での採決など「納得のできる」WBC監督就任条件を明文化するように強く求める構えだ。
 北京五輪で12球団最多の4選手を代表に送り出した中日の意見に他球団はどう反応するのか、実行委員会に注目が集まる。

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2008年8月31日のニュース