大道芸だ代打本塁打!60勝でG力V復活

[ 2008年8月28日 06:00 ]

<巨・横>8回1死、代打で値千金の本塁打を放った大道

 【巨人3―2横浜】ベテランの勝負強さは健在です。巨人の大道典嘉外野手(38)が27日の横浜戦で同点の8回、代打で値千金の2号ソロを放った。大道にとっては6月21日のソフトバンク戦で1点を追う9回2死、やはり代打として杉内から放った同点ソロに続く一撃。チームも3連勝で今季最多の貯金12とし、60勝に到達。阪神が敗れため、7ゲーム差ながら自力優勝も復活した。

スタンドインを確認した大道は二塁手前で「うそぉ?」と叫んでベンチを振り返った。大盛り上がりのナインが、ベテランの人望の厚さを象徴していた。目指すのは逆転V。望みをつないだのは、38歳の一振りだった。
 バットは拳2個分も短く持ち、大男には似合わない前傾姿勢。同点の8回1死で「9割、スライダー」と予想した。初球、小山田の121キロスライダーは、決勝の2号ソロとなって左中間席へ。前日に二岡の打撃練習を見てタイミングの取り方を参考にしたことを明かし「本当に勉強になる。二岡様々」と感謝した。
 これで代打本塁打は現役最多の13本目。同い年の阪神・桧山を超え歴代9位タイとベスト10入りを決めた。「向こうも代打の神様と言われるが、僕の方が実績は上」。勝負強さは衰え知らずだが、近年の悩みは“おなか”。そこで今季は阿部とダイエット勝負を実施中だ。北京五輪期間も「何食べてんの?」と“探り”のメールを送ったほど。「“朝からエビチリ食べてます”と返信があって安心した」と語ったが、真の目的は「阿部の重圧が少しでもなくなれば」というものだった。
 チームは3連勝で貯金12。東京ドームの横浜戦は7連勝だ。6回は代打・二岡が好機を広げて亀井が同点打、8回も代打・大道が決勝弾。采配が的中した原監督も「二岡、大道が流れをつくってくれた」。プロ21年目ながら若手に負けない練習量をこなす大道に、伊原ヘッドコーチも「若手の手本だ」と目を細めた。
 決勝弾のハイタッチを終えた大道は両手をクルクル回す“サイレン”のポーズを初披露。クルーンの登場曲の冒頭でサイレンが鳴るため縁起を担ぐパフォーマンスだ。「今後もベンチを盛り上げたい」。残り34試合で阪神とは7差。奇跡を起こすために“大道芸人”の存在は欠かせない。

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2008年8月28日のニュース