江藤代打でV弾!西武M点灯王手

[ 2008年8月13日 06:00 ]

<西・日>8回、代打・江藤が勝ち越しの本塁打を放ち、ボカチカと抱き合う

 【西武8-4日本ハム】西武ドーム恒例のヴィクトリーロード。今年初めての江藤は「恥ずかしいよ」と何度も言った。お立ち台では38歳とは思えぬ初々しさだった。

 「みんなでつないで同点まで来て、何とかその流れでいい結果を出せるように頑張りました」

 8回。2点差を追いつきなお1死一、二塁で代打で登場。カウント2―1。心の葛藤(かっとう)があった。「バットを短く持って何とか当てよう」。だが、1球挟んだボールの後に気持ちが変わった。「こんなんじゃダメだ。自分のスイングをしよう」。武田久の5球目をフルスイング。打球は左翼席上段まで飛んだ。

 20代で2度の本塁打王を獲得した男もここ4、5年は控え生活。プロ20年目を迎えた。白髪が目立つ一方、バットはプロ入りから使っていた白木から今年途中に黒に替えた。6月から出番はわずかに10打席。それでも欠かさず行う早出特打ちで「凄い感触が良かったんだ」。どんな立場になっても変わらない練習量の証明が劇砲につながった。

 年齢から来る衰え。だが江藤には当てはまらない。「体は元気でどこも故障はない。まだまだ現役を続けたい」。そんなチーム最年長は常に若手や外国人の悩みなどを聞く。人気コミック&ドラマ「Dr.コトー診療所」にちなんで“ドクター・エトウ診療所”と呼ばれ、渡辺監督も「若いチームだし精神的な柱として大きい。江藤なしでは考えられない」と言った。4連勝で今季最多の貯金16。13日にも優勝マジックが点灯する。ベテランのひと振りがチームの勢いを加速させた。

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2008年8月13日のニュース