横浜5年前のリベンジ!広陵撃破

[ 2008年8月13日 06:00 ]

<広陵・横浜>4回、適時三塁打を放ち、エラーの間に一気に生還し、ほえる大石

 第90回全国高校野球選手権大会第11日は12日、甲子園球場で2回戦3試合が行われた。03年センバツ決勝以来の対戦となった強豪対決は、横浜が大石竜太内野手(1年)の勝ち越し右中間三塁打などで昨夏準優勝の広陵を7―4で撃破。5年前のリベンジを果たした。第1試合では大阪桐蔭が延長10回サヨナラで金沢を下し、横浜、仙台育英とともに3回戦進出を決めた。13日は3回戦4試合が行われる。

【高校野球


 【横浜7-4広陵】5年前の屈辱を当時小学生だった横浜ナインが晴らした。03年のセンバツ決勝で3―15と惨敗した相手に逆転勝ち。甲子園通算勝利を45に伸ばした渡辺監督は「絶対にあの屈辱を返したいと思っていた」と力を込めた。

 リベンジ劇の中心にいたのは、当時の試合を「テレビで見ていた」という唯一の1年生レギュラー・大石だ。2―2の4回2死二塁、広陵のプロ注目右腕・中田の速球に必死で食らいつき、11球目の146キロ直球を右中間へはじき返した。50メートル5秒9の俊足を生かし、相手の守備が乱れる間にヘッドスライディングで本塁へ滑り込んだ(記録は三塁打と失策)。4回の守備では今大会初失策を犯し、帽子を取って上級生の外野手にまで頭を下げた16歳。渡辺監督からナインに飛んだ「横浜は同じ相手に2度負けることは許されない」の言葉を胸に刻み、試合後は「無我夢中だったので試合のことは全然覚えてないんです」と頭をかいた。

 名門・横浜に「絶対に1年でレギュラーを獲る」と入学し、今春神奈川県大会からベンチ入り。2番で起用する名将も「センスを買って使っている」と能力を認める逸材で、前日は大石の入学前まで背番号6を背負った高浜(現阪神)に宿舎で激励を受けた。幼稚園の頃、底の見えない滝つぼに約5メートルの高さから飛び込んだ逸話を持つほど度胸満点で、4万3000の大観衆にも「満員の中でやれてすごく楽しかった」と笑顔を見せた。

 04年夏以来の3回戦進出。大石は「優勝したい」とはっきり言った。打倒・広陵の目標を果たした横浜は一歩ずつ、10年ぶりの夏の頂点へ続く階段を上っていく。

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2008年8月13日のニュース